murasaki

記憶の記録。あるいは独白。
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心理学的経営 個をあるがままに生かす / 大沢 武志

■概要(Amazonより引用)

人間をあるがままにとらえる「個性化」と「活性化」のマネジメントとは。
江副浩正氏のもと、リクルートで30年にわたり組織における人間の「感情」や「個性」を深く追求した著者の、実務と研究に基づく全く新しい経営論。
1993年に刊行された本書は今なお、「人材経営」の原点として求める声が多い。 四半世紀の時を越え、電子書籍・プリントオンデマンドで遂に復刊。

 

■所感

概要にもある通り、長らく絶版の状態が続いていた本書。中古価格で約5万円という異常な価格がついていたが、最近ようやく電子書籍及びパーパーバックで再発が始まった。

本書の価値は、組織・人事系のビジネス書では稀有とも言える徹底した科学ベースの記述にある。全ての言説が豊富な心理学の研究結果を基にしており、そこに著者が経営に携わっていたリクルートの実務的成果が織り込まれることで、これ以上ないほどの説得力がある。また、組織・人事の各テーマが広く解説されており、心理学の基本的なポイントを効率的に理解できる。絶版が不思議なほどの内容の充実ぶりである。

そんなわけで、全ての人事パーソンがまず読むべき、組織・人事のバイブルであるとはっきりと断言したいと思う。

 

■メモ

  • 「道具理論」:「努力」には2つの種類がある。(努力がある成果に結びつくと主観的に思う期待) × (成果が報酬につながると主観的に思う期待 × 報酬の魅力度)
  • 「職務特性モデル」:内発的動機付けが高まる5つの要素「職務設計の中核的五次元」.好ルの多様性、▲織好アイデンティティ(課業の一貫性)、仕事の有意義性、ぜ律性、ゥ侫ードバック(自分のせいかを確かめることができるか否か)。ただし、当人の能力や技能が著しく低い場合、現在の給与や作業条件などの環境条件に不満を持っている場合は5つのどれを上げても内発的動機は高まらない。
  • フィードバックの効用 : ,△泙蠅北槁犬ら遅れすぎている人にとっては、フィードバックの情報が諦めにつながる場合がある。最も効果的なのは中程度の進捗が遅い者に対してということがわかっている、∩瓩瓩僕燭┐進がいいという原則、フィードバックによる業績改善効果が顕著にあらわれるのは達成意欲が高い場合
  • リクルート:一言で言えば自由なマネジメント風土。個々人の自由裁量の幅を可能な限り拡げ、しかも多様な能力の要求されるマルティプルな仕事に挑戦できる仕事の環境と風土づくりの実現。
  • 目標は具体的で明確なほど、エネルギーを方向付ける力になりやすい。困難な目標の方が一般的にモチベーションが高まるが、「困難」はその目標が個人にどう需要されるかにかかってくる。目標設定理論では、背伸びをすれば届きそうな目標が効果的と言われる。
  • 集団目標がある方が高い業績を生む
  • ホーソン効果:何か特別なことに特定のメンバーを選んで参加させることで、その集団のモラールが高まること
  • 集団凝集性:集団の規範にメンバーの行動を同調させようとする力が働くのは、その集団にそのメンバーを惹きつける魅力があったり、メンバー間に仲間意識があるような場合。このような集団のメンバーをその集団に留まらせうる求心的な力が働く強さを集団凝集性という。凝集性の高い集団では、心理的な帰属意識が強く、メンバー間の連帯感や仲間意識も強い。仕事における不安や緊張が少ない。
  • 活性化は、既成の構造としての秩序を破壊することから始まる。既成の価値体系、暗黙知のうちに受容された行動規範に提示される。さらに今のままではだめだと現状を厳しく自己分析して、昨日までの成功体験を否定する。こうした現状の自己否定が組織に葛藤と緊張を引き起こし、組織内の均衡状態を破壊していく。これがカオスの演出としての最初の戦略。
  • 組織活性化のポイント:〆陵僉↓⊃融異動、6軌蕁↓ぞ集団活動、ゥぅ戰鵐函共通しているのはカオスの演出。
  • リクルートの研究結果によるリーダーシップ行動を構成する4つの因子:‐霾鹹鷆 併纏の方針や計画、知識や技術の部下への提供)、⊃μ廓塾蓮平μ蛙觜塲塾蓮計画力、問題解決能力)、G枸検壁下の気持ちの受容、感情への配慮)、て栂紂壁下の仕事のチェックや目標達成への要望)
  • リーダーシップ行動四因子(上記に基づく二次調査):〕徊樟(指示を与え、能力の最大限の発揮を求め、生産性を高めることを指向した行動)、共感性、D粍媽(意味のある情報の提供)、た頼性(部下から見て能力的に人間的に信頼に値するかどうか)
  • 企業人適性の三適性:/μ嚇応、⊃場適応、自己適応(対仕事、対人、だけでなく自身の価値基準や情緒的な適応性、自己本来の価値の実現といったどの程度満たされるか。近年の新たな転換的な基準)
  • ユングの知覚と判断の二大心理的プロセスは問題解決のプロセスにも当てはめることが可能。ヾ恭弌幣況を調べる)→直観(役立ちそうなあらゆる手段を探すステップ)→思考(解決策の選択)→感情(周囲への影響を配慮し検討するステップ)。どのタイプの人も自分の最も得意なとところを存分に発揮したほうがよい。
  • 外向型の人は内向的な一面を持っていないわけではない。自分にとって使いやすい特異な機能をもっぱら使うので発達が促進され、結果としてタイプが形成される。
  • 日本の企業社会においては、優れた管理者はしたたかな自信家。民主的・参画的リーダーシップよりも実は専制的なリーダーシップをよしとする本音を持っている節がある。(エドウィン・ギゼリ博士)

 

以上

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