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記憶の記録。あるいは独白。
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企業内学習入門―戦略なき人材育成を超えて / シュロモ ベンハー (著), 高津 尚志 (翻訳)

■概要(Amazonより引用)

過去10年間、企業の人材育成は満足な成果を上げていない―?人材開発の重要性がますます叫ばれていながら、自社のラーニング部門の実績に満足しているビジネスリーダーはわずか20%程度。大半の企業では、確たる成果が見られないまま、従来型の研修プログラムが続けられているのではないか。いま必要なのは、人材開発の目的を根本から問い直し、自社の戦略と整合した企業内学習の形を見出すことだ。知識の獲得だけでなく行動の変容を、個人の能力向上だけでなく組織の業績向上をもたらす企業内学習(コーポレート・ラーニング)の要諦を、世界トップクラスのビジネススクールIMDの教授が解説。

 

■所感

表紙がシブい!

本書は企業の人材開発部門目線でOff-JT(主に研修プログラムの体系)を戦略的に構築するための概論である。そもそも戦略部門化が遅れている人事部門の中でも、特に戦略的で定量的なPDCAが回っていないのが人材開発部門である。要はやりっぱなしで、良かったのかどうかもわからず、行動変容につながっている感もないのが多くの実情と思う。そこで本書は、大前提の戦略策定から社内に向けたブランディングまでの包括的なステップ全体を説明している。

最も読みたい章であった「価値の実証」(研修のKPIをどうやっておくか)などの肝心なところがやや抽象的な話に終わっていたり、翻訳特有の固有名詞の意味を分解しきれていない箇所もあるところは残念だが、全体としては構造がわかりやすく、確かに「入門」としては良い本だなと思う。

 

個人的に印象に残った点は2つ。1つは、企業の置かれた状況を踏まえた「研修の意味づけ」が改めて重要だと言うこと。脈絡のない研修では本人も部署もどう仕事につなげればいいのかわからない。

もう1つは、個人ではなく、チーム(部や課など)全体に対する研修の有効性である。ロジカルシンキング研修だろうが、財務研修だろうが、要はチームの仕事においてロジカルにまたは定量的に物事を考える気風があるかどうかに、その後の伸びは関わってくるわけで、対個人ばかりじゃあまり意味を成さないのではないかと。このあたり、チームビルディングも含めた有効な研修開発の視点になりうるかもしれない。

 

■メモ

  • 人材開発のミッションにはリアクティブな目標とプロアクティブな目標の両方を入れ込むのがよい
  • スコープ −.機璽咼垢鯆鷆,垢戮対象集団の特定、対象集団ごとの戦略的ラーニング目標の特定、社内のその他の学習システム、体制や人材との関連性(接点)の特定
  • ラーニング部門の基本的な役割 −.廛蹈妊紂璽機次淵蕁璽縫鵐亜Ε廛蹈瀬トを開発する)、ディストリビューター(ラーニングプロダクトを提供する)、プロバイダー(ラーニングのプロセスを支援する)、ぅ屮蹇璽ー(知識・助言を売るコンサルタント)
  • ポートフォリオ −誰に、ではなく、何を、に基づいて作成する必要がある。一つの目標に対し、ターゲットにすべき集団と提供すべきプログラムを割り当てるとよい。一方で説明・整理用に従来的な、対象集団とラーニング計画のマトリックス図も用意しておくとよい
  • 行動変化というトピックへの言及が欠けていることが多い
  • 研修のメソッドは、既存の調査からはどれが本質的に優れているのかを特定することはできない
  • スキャフォルディング(足場づくり)とは、.薀ぅ鵐泪諭璽献磧爾妨修や支援を施し、彼らが従業員の学習をうまくサポートできるようにする、▲螢侫譽ション(振り返り)のための学習者同士のブログを導入する
  • テストを行う(テストを行った方が学習内容を憶えているという調査結果がある)
  • 「振り返りのきっかけ」をつくる
  • 携帯メールを使って簡易アンケートの実施や結果報告を行う
  • アウトソーシング発注者の大部分は、受注者の仕事ぶりについて「非常に満足している」と答えるのは三分の一だろう
  • 参加者のアンケートのみに頼るな
  • マイスターの信頼の方程式 信頼=(信憑性(専門知識や存在感)+信頼性+(頼りがいや一貫性)親密さ(オープンさ))/自己志向性(自分の都合へのこだわり)
  • ラーニング・ソリューションの開発については、一方でいまだに従来のアカデミックな学習観に縛られながら、他方で目を奪うような最新テクノロジーにすっかり翻弄されている
  • アカデミックな学習が主にインプットを重視しているのに対し、企業内学習はアウトプットをどう応用するか、の違いがある

 

以上

| ビジネス書(組織・人事) | 01:33 | comments(0) |
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