murasaki

記憶の記録。あるいは独白。
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伊豆の踊子 / 川端康成

■概要(Amazonより引用)

旧制高校生である主人公が孤独に悩み、伊豆へのひとり旅に出かける。途中、旅芸人の一団と出会い、そのなかの踊子に、心をひかれてゆく。清純無垢な踊子への想いをつのらせ、孤児意識の強い主人公の心がほぐれるさまは、清冽さが漂う美しい青春の一瞬……。ほかに『禽獣』など3編を収録。巻末の三島由紀夫による「解説」は、川端文学の主題と本質についてするどく論じている。

 

■所感

昨年末に伊豆急下田に行く機会があり、その道すがら読んでいた本書。古い日本語や当時の風習などもあり、1回目を読んだ時点では正直それほど心に残らなかったのだが、2周してその物語性に気付かされた。自分から周囲と壁を作ることで傷つかないようにしていた主人公が、踊子の一行と触れ合うことで現実社会と和解していく様子が感じ取れ、とても心に染み入るものがあった。特に別れ際の踊り子の寂しさを隠せない、少しすねたような、しかし素直な感情表現が美しい。そして、別れた後に船の中で出会った少年との会話に心温まるものを感じた。言うまでもなく純文学の美しい名作。

 

”私はカバンを枕にして横たわった。頭が空っぽで時間というものを感じなかった。涙がぽろぽろカバンに流れた”(略)

  少し話してから彼は言った「何かお不幸でもおありになったのですか」

  「いいえ、今人に別れてきたのです」

  私は非常に素直に言った。泣いているのを見られても平気だった。私は何も考えていなかった。ただ清々しい満足の中に静かに眠っているようだった。”

 

以上

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