murasaki

記憶の記録。あるいは独白。
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人事制度関連書籍3冊の感想

今回紹介する3冊はいずれも人事制度の構築方法を説明したもの。急遽仕事で基礎的な人事制度の基礎的な知識の復習が必要になったためややパニックバイ的に購入した次第。

が、結果的にはほとんど役に立たず終わってしまった。

いずれの本も素人にもわかりやすい作りにはなっているのだが、非常に浅い理論と狭い視野の中で作られた感が否めない。

具体的な問題点としては大きく3つある。

 

問題点 ヾ霑壇な理論に基づいていない

人事制度の理論は深い。人事制度は、それがどれだけ不公平で、どれほど年功的だろうが、多くの場合それが作られた当時はそれなりに合理性があるという事が非常に多い。

ひどい制度に見えても、それは社会が変化する中で制度が古くなっただけであり、だからこそ安易に表層だけを見て変えることは許されない。

その中身の細部の一つひとつに理屈が存在するし、何だったら計算式の係数や割合の一つにも意味がある。

だからこそ制度改定にあたって、等級・評価・報酬の理論をきちんと学ばずにこういった書籍に飛びついてしまうことは非常にリスクがある。

 

その点、『30日でつくれる…』のあとがきには、「理論ばかりを追求した結果、無意味な制度ができるよりは、はじめの一歩を踏み出した方がいい」といった趣旨のコメントがある。

言いたいことはわかるし、制度はどこまでシンプルであるべきだと思う。

が、それは「あえて」シンプルにすることが重要であって、何も知らずにそぎ落とすことは、社員の動機付けのみならず、企業の競争力や法的観点を見逃すリスクを孕んでいる。

人事制度は会社の根幹であり、だからこそそこにはしっかりとした学習と時間をかけるべきであると思う。

 

問題点◆|碓譴諒法だけを紹介している

人事制度に正解はない。会社の数だけ正解があるわけで、そもそも一つの方法論だけを紹介していること自体がナンセンスである。

各書ともにそのあたりの注記がないままに内容が進んでいくため、会社にフィットしないものを作らせてしまう危険がある。

 

問題点 煩雑である

人事制度は今も進化を続けている。最近では、AやBといった評価(考課)を報酬に反映しない会社や、そもそもそういった評価をせずに育成目的の面談だけを行う会社も出てきている。

要は人事部が理論的な無謬性ばかりを追求した結果、社員の誰もが得しない面倒な人事制度になっていることに皆が気付き始めているのだ。

そういう中で、この各書に記載されているような悪い意味で古典的な制度はそれこそ現代に合わない。

『人事・賃金コンサルティング』においてPCのことを著者が「コンピューター」と呼んでいるが、要はそういう時代の、あるいはそういう著者の本であることを認識しておかねばならない。

 

 

というわけで、「誰もが馴染みがあるが、実はめちゃくちゃ深い」のが人事の世界なので、人事制度関連書籍の購入を考えている方においてはぜひ注意深く書籍を選んでもらいたいと思う。

 

以上

 

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