murasaki

記憶の記録。あるいは独白。
最悪の人事、最悪の内容、最悪の結果<J1第15節VS浦和レッズ>
0−4 

最悪のタイミングで最悪の結果となってしまった。書きたいことは色々あるのだけどとりあえず戦評から。長いけど良かったら一読を。


スタメンの形は途中入れ替わりつつも5-2-3で以下のような感じ。DFラインは4+渡邊のような形になることが多かった。ディエゴはやや内寄り。最終的にはディエゴと金を2トップとした4-4-2となっていた。


         柳沢
ドゥトラ    (宮吉) ディエゴ
(金)

     安藤     角田
                  渡邊
中村  森下 増島 水本
(中谷)
         平井



●5-2-3の弱点
今節のサンガは前節とほぼ同じメンバーでスタート。全試合失点中、急な監督交代を考えれば最も守備的で最も個々の役割がシンプルなこの形の採用は妥当。特に前線の柳沢・ディエゴ・ドゥトラに時折攻撃参加を見せる渡邊を加えた4人の個々の力はJ1でも上位クラスにあるだけに、前後分断であろうとも7人で守れて3人だけで点を取れる可能性をもつ5-2-3(むしろ7-3)は現在のサンガには最も適したシステムであるとも言える。実際、この試合も前半は右の渡邊が起点になることで何度かチャンスを得ていた。守備も引きながらもコンパクトさは保てており、前半は膠着状態を作れていた。膠着状態はサンガにとっては目論見通りである。なぜなら同じ膠着状態でも自陣に相当な人数がいるサンガよりほとんどがサンガ陣内に入ってしまっている浦和の方がボールを奪われた際のリスクがかなり大きくなるからだ。
ただし、後半にその限界を露呈した。以下問題点について。

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相変わらず気になったのがドゥトラである。攻守共に意思疎通ができておらずポジショニングがまずいことになっていた。特に前半徹底して使われていたのが平川のところで、ドゥトラが行くのか、あるいは中村が前に出るのかがはっきりしておらず、さらに中村が出た際にはその裏にポンテが走りこむことで再三起点を作られていた。個人的には中村はDFラインに吸収されるのではなく、勇気を持ってもう一枚前に出て起点をつぶしてほしかったのだが、恐らく渡邊がやや前に出ている形になっていることもあるし、サイドにポンテや阿部が侵入してくることもありほぼDFラインと同じ高さでプレーしていた。ただ結果としてどっちつかずの非常に中途半端なポジションになっていたことは否めない。前半途中には10分程度柳沢とドゥトラのポジションを入れ替えたり、あるいは秋田が個人的にドゥトラを呼んで指示を送っていたりしていたが、まさにその部分の修正だったのだろう。

攻撃面でもドゥトラは雑さが目立っている。まあその雑さ、よく言えば強引さが武器の選手であるのだが、ここ数試合は恐らく京都の暑さもあるのだろうが、ボールが足についていなかったり、二歩目の遅さが目に付く。それにも関わらず依然として本人は勝負を好むので、独りよがりなプレーに終始してしまっている。特に致命的なのは軸である柳沢とのコンビネーションの未熟さで、前に出るタイミングが早すぎて柳沢のポストを追い抜かしフイにしてしまう場面が数度あった。なんにせよ中断期に比べ明らかにコンディションが落ちているのは明確なので、一度先発を外すべきかもしれない。今節の途中交代も妥当であった(ただし代わった金もこれがまたイマイチだったのだが)。

上でも述べた通り左サイドは中村の出来も散々であった。このシステムは前後分断でサポートが少ない分、サイドにはある程度独力で対面の一枚をひっぺがす力、パス出しのセンスが必要なので、元来トップ下の選手であり守備も鍛えられた感もある中村の起用は妥当だったのだが、今節は判断の遅さ、ドゥトラとの相性の悪さ、守備面での軽さと連敗中故の消極性が彼のプレーを全て中途半端なものにさせてしまっていた。さらには先制点の起点にもなってしまうなど、引き続き納得の途中交代。
しかし、代わって入った中谷がそれ以上に散々たる出来。懸念通り、プレスに屈しヴィルドアップ時にミスを連発。左サイドはここに来てかなり厳しい状態となった。
一方、右サイドは渡邊の仕掛ける姿勢が戻ってきており悪くない状態に。ただし、二点目は彼のミスであり、時折見せるああした軽い守備をチームがどうサポートするかは今後考えていかねばならない。

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前述したようにこのシステムは中盤が二枚である。本来は中村・渡邊の両サイドが中盤にいるべきなのだが、異様に守備的なこの布陣においてはもはやこの二人はDFラインの一部である。対して、浦和は柏木・鈴木・阿部の三枚に加え田中・ポンテが入れ替わり中盤に落ちてくる。結果として今節はルーズボールをほとんど拾われる苦しい展開となってしまった。加えて、鈴木・阿部に安藤・角田では球際の分も悪い。
サンガがコンパクトさを保てているならまだいいが、少しでも広がった瞬間にサンガの中盤は穴だらけとなる。これはこのシステムが抱える大きな課題である。

そのあまりにも引き過ぎたサイド
今節は最後まで決定機と呼べるチャンスが作ることが出来なかった。それはあまりにも低すぎるサイドハーフの位置に起因していると思われる。
もちろん膠着状態を作りたいのはわかる。実際前半はそれがある程度できていた。が、一方で引いているにも関わらず危うさも感じていた。特に両サイド。とりあえず引けばいいという雰囲気があり、あまりにも簡単に対面の選手に簡単にボールを持たせており、実際チャンスはそこから作られていた。つまり、全てが持たせてからの対応となってしまっていた。浦和の両サイドはそれなりにヴィルドアップに秀でた選手であり、あの守り方が適切だったとは思えない。もう少し、インターセプトも狙えるような位置で圧力をかけられればより浦和は攻め手を失ったはずであるし、なによりカウンターの怖さも増したはず。あれではいくら前線の三人が優秀であろうとも、ボールは渡らないわけで得点は難しい。
さらに言うと、今節の相手GKのバックパスからのダイレクトのフィードはほぼ全てが何故かライナー性であり、あれは一つの狙い目に思えた(まあそれが失点につながったのは恥ずかしい限りだが)。その点でも、もう少しサイドは積極的に前に出てほしかった。


●ボランチ軽視のツケ
前監督の最大の負の遺産がボランチの人材不足である。思えば昇格から二年半、倉貫や斉藤といったパサータイプを切り、コンバートでまかなってきた。ついにはパサーではなかったものの唯一の本職であった佐藤もチームを去ったというのに、獲得したのは何故かCBとSB。そしてその二人は半ば予期されていたことながら適性がなくいまやベンチ外。故にこのチームはこれまで攻撃の第一手となれる選手を欠いたまま戦ってきた(一年目はシジクレイがそれなりに補っていたが)。このリンクマンの不在が現状かなり響いている。
まず、攻撃を組み立てる選手がいないためディエゴの悪癖が発動してしまっている。まあ下がる下がる。結果として攻撃力半減。
次に柳沢の動き出しを殺してしまっている。パスを合わせられる選手がいないため、見事なフリーランがほとんど活きていない(フェルナンジーニョ在籍時以外に柳沢が得点を量産できていないのは、ディエゴとの相性の問題もあるが、それ以上にパサーの不在が大きいと思われる)。
最後にボールロストが多すぎて結果として守備も苦しくしてしまっている。取られ方の悪さがカウンターにもつながっている。

安藤も角田も決して悪くない。角田なんかは得点数だけを見れば大活躍である。しかし、今サンガに必要なのは守備を引き締められるアンカーと攻撃をコントロールできるパサーである。安藤はアンカーとしては球際は弱すぎる。元々DFの角田にゲームの組み立ては期待できない。どっちつかずのプレイヤーによるダブルボランチが結果としてサンガを攻撃的にも守備的にも苦しくしている。
しかしながら今や獲得資金もなし。前監督の意図の不明な補強が非常に悔やまれる現状である。


●スーパーミドル、凡ミス、裏目に出た交代・・・打つ手なし
監督交代にも関わらず、ピッチ上に充満する負のオーラを払拭することができなかった。10本に1本入るかというようなミドルが決まり、一年に一度あるかという珍プレーが発動する。交代で出た選手はことごとく不調。今のサンガは何をしても裏目に出る雰囲気がある。
しかもサンガは新監督就任とその初戦という2つの最初にして最大の好転のチャンスを最悪の形でフイにした。せめて外からの招聘という形であればまだ希望もあったのだが・・・。


●唯一の希望
上の話とはやや矛盾するのだが、正直サンガは負けるべくして負けているのも事実だ。先週のサッカーダイジェストのランキングによると、サンガは被決定機数、被シュート決定率において見事に一位となっている。つまりJ1で最もチャンスを作られ、そのチャンスを最も決められているという事実をランキングは教えてくれている。つまり運云々ではなく現実として守備の組織、そして個々のピンチ時の最後の踏ん張りがJ1でダントツに破綻しているのである。
例えば、湘南戦の失点は渡邊の個人的ミスではない。クロスの瞬間に田原に対して水本も安藤もつかなかった結果、阿部を見ていた増島が急いで前でフリーになっていた田原につきにいったその瞬間に阿部にボールが渡ったのだ。直前まで大外の選手についていた渡邊は当然対応が遅れるわけで、その結果あの失点に至ったのだ。チームとしてマークの受け渡しも組織もめちゃくちゃになっていた結果だったのである。
結局、これまで水谷の奇跡的なセービングとシジクレイなどの献身で隠れていた本来の姿が今になって露になっただけなのかもしれない。

ただ、課題がデータとしてはっきりしている分対策は可能である。そして非常に望みは薄いが、秋田監督の抜群の手腕を発揮する可能性は限りなく低いが0ではない。笑い話だが現状それだけが唯一の希望である。


人事面などフロントの怠惰については後日。



| 浦和レッズ | 03:36 | comments(0) |
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