murasaki

記憶の記録。あるいは独白。
確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力 / 森岡 毅, 今西 聖貴

■概要(Amazonより引用)

世界屈指のマーケター&アナリストが、USJに導入した秘伝の数式を公開。

ビジネス戦略の成否は「確率」で決まっている。
その確率はある程度まで操作することができる。

八方塞りに思える状況でも、市場構造や消費者の本質を理解していると、勝てなさそうに見える局面や相手に対しても勝つチャンスのある戦い方、つまり勝つ確率の高い戦略を導き出すことができる。
その戦略を導き出すのが「数学マーケティング」である。

 

■所感

まさに森岡氏の集大成と言える内容であり、その数学マーケティングの知見を余すことなく掲載している。

だが、平均的な数学リテラシーを考えれば、このメソッドをそのまま活用できる担当者はかなり限られると思われる。実際自分も数式に関しては割と序盤からよくわからなかった。

 

それでも本書が提示した重要な価値は、数字を代表とした、合理的・論理的な準備を徹底したうえで、最終的な意思決定を行うことができることを示したことにある。それがあることで意思決定の成功確率が上がり、何より後世の組織学習へとつなげることができる。

よって、ここに書かれているのは、戦略という非常に抽象的なものを、因数分解して仮説を立てられるレベルに落とすことの意味であり、本質的にはその各要素は数式でなくてもよいのだと思う。


「日本人はもっと合理的に準備してから、精神的に戦うべき。」

 

あとがきのこの一文こそが、本書の一貫したメッセージなのだろう。

 

 

■メモ

  • 市場構造を形作っている本質「プレファレンス」。プレファレンスとは、消費者のブランドに対する相対的な好意度のことで、主にブランド・エクイティー、価格、製品パフォーマンスで構成されている。
  • 市場競争とは、1人1人の購入意思決定の奪い合いであり、その核心はプレファレンスである。
  • 戦略の焦点は3つ。ー社ブランドへのプレファレンスを高める、認知を高める、G朮戮鮃發瓩襦
  • 認知の本質は消費者の「エポークド・セット(買ってもいいと思っているいくつかのブランド群)」に入っているか。
  • 自社ブランドが、それぞれの小売店にとって「確たる役割」を果たせるのかが非常に重要。小売店の売り上げ単価なのか、利益額なのか、利益率なのか。
  • プレファレンスの垂直拡大よりも、水平拡大の方が成功する場合が多い気がする。既存のユーザーを耕すより、その外を耕す方がマーケットがずっと大きいから。
  • 年間購入者の割合:認知率×配荷率×過去購入率×エポークト・セット率×年間購入率
  • プレミアム・プライシングは正しい。中長期の観点でブランディングを考えた場合、付加価値のあるブランドとして成立していることが重要。
  • 市場調査は主に仮説を生み出す「質的調査」(消費者の観察、訪問インタビュー、フォーカスグループインタビューなど)と仮説を検証する「量的調査」(使用実態の調査や製品のパフォーマンステスト、コンセプトテストなど)に分かれる。
  • 消費者の本質的ニーズは変わらない。変わるのはそのニーズを満たすカテゴリー便益の製造方法と個々の消費者への便益の配達方法、そのカテゴリーを構成しているブランド。
  • 上記の前提のもと、自身が取り扱うカテゴリーとその上位カテゴリーの本質(消費者が求める便益)を質的調査で見極める。次にそれを基礎に法則性を見出す。
  • 今まで見てきた新製品で、3か月までの売り上げが予測と大きく異なり、それでも生き残った製品はない。
  • 一人あたりGNPはその国の社会の発展段階を示す良い指標
  • 予測値がベンチマークの数値とつじつまが合わない場合、仮説を見直す。結局、仮説、仮説に対する予測値、ベンチマークの実績値の3つが、辻褄が合い、自分自身にとって論理的にも感情的にもしっくりくるまで試行錯誤する。
  • プレファレンスの相対的関係での比較で注意すべき3点: |傭覆砲茲覬洞舛強すぎる、∩択肢の粒感(〇ミカン、×夏みかん)、I竺笋譴魑こさないか(例えばおでんの具材で、ねり物好きではちくわとかまぼこで割れてしまう)
  • 群衆の知恵が成立する要素 : 参加者それぞれが相互に独立していること、考え方の多様性がある集団であること。
  • 振り返りを行わないやりっぱなし文化をなくすために、PJをリードした実務担当者が結果を分析して学びを抽出し、組織全体に共有するプロセスがシステマチックに月次・シーズン、PJごとに振り返るシステムを導入している。
  • 完璧な組織はない。組織構築の選択は、わかったうえでその組織の弱点をどこに作るのかという意図的な選択。
  • 上司としての最大の仕事の1つは、自分自身の認識を変えることで、組織の人的資源を増やすこと。

 

以上

| ビジネス書(一般) | 12:10 | comments(0) |
USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門 / 森岡 毅

■概要(Amazonより引用)

2015年10月には過去最高の月間175万人を集客し、USJの3倍の商圏人口に陣取る東京ディズニーランドをも超えて、単月ではありますがついに集客数日本一のテーマパークになることもできました。<中略>USJはなぜ復活し、大成功をおさめることができたのか? なぜ次から次へと新しいアイデアが出てきて、なぜやることなすこと上手くいくようになったのか? その秘密は、たった1つのことに集約されます。USJは、「マーケティング」を重視する企業になって、劇的に変わったのです。

 

■所感

とてもわかりやすい。

昨今、マーケティング目線はマーケターだけでなく組織のあらゆる成員、例えば人事部などにおいても重要な観点になっている。従業員体験を創造するという概念「Employee Experience」などはその典型だろう。本書は、そのマーケティングの基礎的なフレームワークや考え方を非常に明快に教えてくれている。まさにマーケティング入門。

また、多くの企業が陥りがち、あるいは混同しがちな技術/品質起点と顧客起点は別物であることも非常にわかりやすく解説されている。

一方で、では具体的に個人・組織の利害を超えた顧客起点の考え方を企業に根差すためにどうすればいいかという点の解はない。それが気になるところ。

 

■メモ

  • 現実世界では、個人レベルの利害を土台にして、部門レベルの利害の軸が更に加わってくる。これらが縦横無尽に走っているのが会社組織。それをぶったぎって「消費者価値」としてのベストを押し通す意思決定の仕組みが必要。
  • マーケティングが必要に迫られるのは技術的差別化が難しいローテク業界。
  • マーケティングの本質とは「売れる仕組みを作ること」。コントロールすべき消費者との接点は3つ、‐暖饉圓瞭の中を制する(認知率、ブランド・エクイティ)、店頭(買う場所)を制する(配荷率、山積、価格)、商品の使用体験を制する(トライアル、リピート率)。
  • 売上個数 = 消費者の数 × 認知率 × 配荷率(+山積率) × 購入率(+再購入率)
  • 戦略とは目的を達成するために資源を配分する選択のこと。
  • 戦略の4S:Selective(選択的かどうか)、Sufficient(経営資源が勝利に十分かどうか)、Sustainable(継続可能かどうか)、Synchronized(自社の特徴との整合性)、この4つで戦略の妥当性をチェックする。
  • マーケティング・フレームワーク 〔榲→¬槁検Who)→戦略(What)→だ鐔僉How)、その前提に戦況分析がある。市場構造を理解して味方につけること。
  • 戦況分析の5C:Company、Customer(顧客/流通などの中間顧客)、Competitor、Comunity(ビジネスを取り巻く地域社会の理解)
  • 良いマーケターは消費者ニーズの理解に努めるだけでなく、底辺に流れる価値観や悩みはどこにあるのか、常日頃どんなことに関心を持っているのか、別の文脈ではどんな消費者行動をとっているのかを理解している
  • 目的は、高すぎず低すぎず、シンプルで魅力的
  • コアターゲットの見つけ方の切り口 : .撻優肇譟璽轡腑鵝淵テゴリーの中で自ブランドの世帯浸透率を増やせるグループはないか)、▲蹈ぅ筌襯謄、コンサンプション(1回当たりの消費量を増やせるグループは)、ぅ轡好謄燹併藩兢ι覆亮鑪爐鯀やせるグループは)、ゥ僉璽船Д后Ε汽ぅル(既存使用者の中で購入頻度を上げる/購入サイクルを短くする)、Ε屮薀鵐鼻Ε好ぅ奪繊淵屮薀鵐品儿垢硫椎柔のあるグループは)
  • Howの4P(Product, Price, Place, Promotion)
  • 弱点は2種類ある。自身の強みと関係のない弱点、克服すれば自身の強みを更に発揮できる弱点、前者は強みでカバー、後者は克服すべき
  • 自分の強み探しにおいて重要なのは、他者との比較でないこと。自分の中の相対的な好き・嫌い・得意・不得意から導き出す
  • 人間の行動:第一の層価値観、第二の層マインドセット(意思・心構え)、第三の層スキル(技術)、第四の層振る舞い(人から見えるのは振る舞いだけ)

以上

| ビジネス書(一般) | 20:53 | comments(0) |
最近のサンガ雑感 + 本の感想(BCGが読む 経営の論点2019 / ボストン コンサルティング グループ)
評価:
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日本経済新聞出版社
¥ 1,728
(2018-11-22)

サンガが好調でとても嬉しい(というか最近は、昇格を意識してしまってホッとする感じ)。思っていた以上に早く昇格圏内に来た印象で、その分そんなに楽観視できない状況ではあるが、いずれにしてもよくここまで持ってきたなとは思う。

試合内容を見ても、決して潤沢でない現有戦力において、間違いなくベストな戦術の選択ができている。何より、もっとロマンに殉ずるタイプのチームになるかと思っていたら、思いのほか柔軟に戦い方を変えることができており素直に素晴らしい。スタイルと共に選手の自主性を育てられている結果であり、サポーターの立場からしてみれば内容・結果ともに望外の状況ではないだろうか。

 

ここから先、藤本が加入してどこにハマるか。重廣を筆頭に金久保、福岡とインサイドがチャンスの割には決め切れておらず、またアシストも多くない印象が強いので、セットプレーをはじめここに変化が出るのが理想的。

個人的に期待する選手は上夷。攻撃面は既に申し分なく、今後は薄い守備陣の中で、終盤を引き締める主軸となっていてほしいと思う。

 

さて、サンガと全然関係ないが、本の感想を。

 

■概要(Amazonより引用)

AI@スケール、デジタルSCM、モビリティの進化……
デジタル&テクノロジーが変える経営の未来! 
トップコンサルタントはここを見ている! 

戦略コンサルファームとして、世界中に拠点を持つボストン コンサルティング グループ(BCG)。
そのコンサルタントたちが、日本企業の経営にインパクトを与える論点を選び、これから何が起こるのか、どのような備えが必要なのかを提言する。

 

■所感

各テーマの深堀具合や面白さは例年通りという印象だが、組織文化や人事的な施策に波及した話が多くなっている気がする。それは

やはり、デジタル化やアジャイルといった、合理的・効率的な物事の進め方に対して、従来型の組織の在り方がモロにボトルネックになっているということなのだろう。ビジネスの上流を取り上げてきた本書ですらそうなのだから、今後あらゆる領域で組織・人事に対する問題意識が高くなることが予想されるわけで、旧来型の人事部門の肩身がより加速度的に狭くなっていくのだろうと思う次第。

 

■メモ

  • デジタル化の難しさ .如璽燭諒散・欠損、⊇蝶笋蠢反イ陵害調整、チェンジマネジメントの難しさ、ぅ妊献織襯吋ぅ僖咼螢謄の不足。は部門横断型の改革組織はPL責任を持たないため、事業部門に押しきられがち。
  • 新規事業の目的を設定する場合、売り上げ何億ではなく、それが創出された前後で世の中がどう変わるかという大きな視点を持つことが大切。
  • 事業アイディアの三つの観点 .泪ロな環境変化、▲罅璽供爾良塰やストレス、3ユーザー自身が気づいていないような感情面でのニーズ・欲求 開発
  • 終盤の投資委員会で言われるのが、それほどそのアイディアが有望なら、あなたが会社を辞めて、始めたらいいではないかという問い、このときにそうなっても絶対にやりたいと思える情熱があるかが重要
  • スキルのあるチームをつくるためには、インセンティブの設計が鍵。大企業のヒエラルキーを持ち込まない、フラットでオープンな環境をつくることが重要。子会社した方がやりやすい。
  • デジタル化の失敗パターン 組織内の企業文化と減点主義。ミドルアップやボトムアップが根付いた組織ではなかなかトップダウンで物事を決めきれない。減点主義では新しいチャレンジへのインセンティブが生まれない。
  • アジャイル化推進上の人事の課題 高頻度な目標設定・フィードバック、チームごとの評価基準、絶対評価、パフォーマンス評価とスキル・ケイパビリティ評価、育成プランニングの役割分担、多面的なキャリアパス、職種単位の採用・育成・配置
  • 働き方改革においてもアジャイルのアプローチは有効。特に大企業従業員が辟易としている部門間調整、上司への根回し、無駄な会議や資料作成の時間を減らし、裁量権を持って仕事を進めることができる。
  • デジタル化と併せた期限付きのチームを組成することが可能。 アジャイルの源流は日本の現場。オランダのINGの用語OBEYA。ホンダの大部屋制。大部屋で常に顔を付き合わせ課題の共有や意思決定を速やかに行うこと。

以上

| ビジネス書(一般) | 15:07 | comments(0) |
20代仕事筋の鍛え方 / 山本 真司
評価:
山本 真司
ダイヤモンド社
¥ 1,980
(2005-08-20)

■概要(Amazonより引用)

銀行、MBA、外資系コンサルタント、独立とキャリアを重ねてきた著者が20代に贈る「逆説的キャリア論」。

 

■所感

”最初に転職した外資系コンサルティング会社は七年半勤務して、かたちは依願退職だけどれどもね。成長の壁にぶつかってしまって、どうにもこうにも身動きがとれなくってしまってクビになる前に辞めたんだよ”

経歴を観ればバリバリのエリートに見える著者も、挫折を経験して今に至っている。そんな著者の「学習力の向上自体が人生の目標」「作用は自分の力で起こし、反作用はその結果を淡々と素直に受け入れること」といった地に足に着いたキャリア論は納得感がある。

報酬や名声といった外面的な「キャリア」に憧れがちな20代の人たちにとっては、考えさせられる読み物になるだろう。

 

■メモ

  • 学習の時期とリターンの時期を経験したか。最初の2年くらいは闇雲に新しい職場で必要とするスキルを学んだ。次の2・3年が実践しながら学ぶ期間、最後の2~3年が大きなリターンであり成果を上げてさらに学ぶ期間だった。たまたま7年半で一つのサイクルになっていた。
  • ワンサイクルが終われば新たなチャレンジに臨めばいい。その会社に自分を成長させる機会や一から勉強できる機会が存在するならそれに取り組めばいい。そうでなければ転職を考えればいい。
  • 努力は2つある。自分を磨く努力、そして今の自分をどううまくお金に結び付けるかっていう努力。後者はお金儲けに向けてどうポジションをとるかが大事になってくる。それでは自分の実力は伸びない。
  • お金を追いかけたら行動は短期に偏ってしまいがち。成果主義のもとに目先の利益に目を向けることで、中長期に鍛えるべき能力を犠牲にする可能性がある。特に怖いのは、実力を磨くことなく、自分を実力以上に見せかけるテクニックばかりを学ぶこと。短期的には評価されても、長期的にはスッカラカンの人間になる。
  • 20年後がわからない。だからこそ、現在の仕事を通じてどんな時代にでも通用するケイパビリティ、すなわち仕事能力を鍛えることが重要。
  • 説教をする心理は自分の優位性、優越性の確認に過ぎない
  • スキルが上がったとか何かの知識を学んだとかそんな低次元な喜びではなく、新しい難しいことでも簡単にマスターできるようになったといった、自分の成長を感じる喜びを感じられるようになったことが大きい(学習力自体の向上)。その向上を通じて知らないことでも新たに挑戦しようと思える。
  • 自分の力でどうにもならないことは素直に現状を受け入れることにした。抵抗するのをやめた。作用と反作用、作用は自分の力で起こし、反作用はその結果を淡々と素直に受け入れることでバランスをとるということ。

 

以上

| ビジネス書(一般) | 17:23 | comments(0) |
脅威のプロジェクト実行術 / 大場京子

■概要(Amazonより引用)

プロジェクトを楽しく成功に導くことは、実は難しくない。
40件を超えるプロジェクトにおいて、いずれも納期通りに、予算以内に収め、品質も良好でカットオーバーした
伝説のプロマネが、システム構築プロジェクトを成功に導くためのプロジェクトマネジメントメソッド
「PROKAN(プロカン)」を一挙公開!

「人に着目し、プロジェクトマネジャーやメンバーなど関係するすべての人が動くようになる」ことが
最大の特徴であるPROKANのメソッドで、プロジェクトマネジメントの悩みを解決できる。

 

■所感

システム/非システムにかかわらず、プロジェクト業務にかかわるPMO初心者にオススメできる良テキストである。

特に、仕事でPMOをやらなければならないがPMBOKを一から学びたいというほどではない、という層には明確にヒットするのではなかろうか。「実践的」であることを意識した記述が非常に多く、とても納得感がある。特に人の感情や心理面を常に意識した内容になっていることがこの本の価値であり、メンバーの「満足度」をKPIに置く著者ならではの記述であるといえる。

 

■メモ

  • ■PJが成功したかどうかの指標
  • ’軸=期日は予想通りか
  • 品質=良好な品質か
  • コスト=適正額で、かつ目標いないか
  • に足度=PJメンバーが「楽しかった」と思えたか
  • チ世い涼成度=狙いが達成できるシステムとなったか
  • アウトプットベースのWBSを作成する(具体的な項目は決まっていなくても、「課題解決の草案を作る」「〃をレビューする」など)
  • 一つのタスク明細は1〜2週間を目安にする
  • 究極のイメージ「議事1名化」、Oneマネジメント(チームが統合された有機体)、Oneプラン(各自の進め方でなく1つの進め方)、Oneゴール(MyゴールじゃなくOurゴール)
  • 人間はアウトプットをするときこそインプットを真剣に見る
  • 計画書は親計画と子計画で構成する
  • 人間はだれしも後から言われて修正するのは嫌がるもの。PJマネジャーは常に半歩先を行くことが必要
  • ■NGプロマネ
  • .織好の担当者を明確にしていない
  • PJの方針をはっきりさせていない(方針不明確)
  • メンバー同士個別打ち合わせがベースになっている
  • PJマネジャーの支配意識が強い
  • ■システムスコープを定義する際の3点セット
  • .轡好謄牴夙楼呂離ぅ瓠璽検癖現顱法↓概念設計図(A4一枚の全体関係図)、サブシステム定義表
  • スケジュールをブラッシュアップする際は、最上段のマスタスケ→最下段の作業明細→中段のチームスケジュールという順番で作成する
  • 相手がある仕事をするべし/させるべし
  • PJマネジャー直下の担当者はご法度。PJの骨格が崩れる
  • 品質管理のパワー対効果
  • 単純な確認事項は定例会の前につぶす
  • 効果想定は楽観パターンと悲観パターンの両面をシュミレートする

 

以上

| ビジネス書(一般) | 15:42 | comments(0) |
使うチカラ / 御立尚資

■概要(Amazonより引用)

ロジカル・シンキングにプレゼンテーション、コーチングなど、とかく勉強することが求められる昨今。だが、いくら知識やスキルを身につけても現場で使いこなせない、という人は多いだろう。また、次々と現れる新たなビジネス理論に「一体、どこまで学べばいいんだ!」と悩んでいる人もいるのではないだろうか?
著者は、そういった知識をいくら身につけても、「使う力」がなければ成果を出すことはできない、と主張する。では、その「使う力」とは何なのかを、「知識やスキルを使って結果を出す」プロである、ボストン・コンサルティング・グループ日本代表が解き明かすのが本書である。
世の中に出回っているあらゆる知識とスキルを整理・統合し、「どうやって学べばいいのか」を説く章はまさに目からウロコの内容。さらにはその「使う力」を、企画立案や会議といった実際の仕事の中でどう高めていくかまでを説く。

 

■所感

この本の利点は1時間そこらで読めるコンパクトさ。が、内容がそれと比例するように薄い。

「使うチカラ」を解説するフレームワークも非常に安っぽく、研ぎ澄まされていない。そもそも「使うチカラ」という概念自体を著者本人が消火できていないようにすら感じる。著者は「使うチカラ」を人間力といったキーワードで説明しようとしているが、この人間力自体がぼやけた概念であり、なかなか具体的なスキルまで着地していかない。

よって、どうも手癖で書いた感が否めず、著者の他の著書と比べて概念の深堀りが全然できていない。取り留めなく様々な事柄に言及している分、断片的には面白い記述もあるが、どうせ読むなら他の著書を読むことをお勧めしたい。

 

■メモ

  • 企画とは「目的地を定め、そこに至る道筋のオプションを考えて、最善のものを提案し、そのためになすべきことをはっきりさせること」
  • 一定程度、考える範囲を広げたら、そこで迷わず人と相談する。これだけで、仕事の総量は相当減り、その分、次を速く・深く考えることができる
  • 自分の土俵じゃないところの提案をする場合は「今回の課題とは前提が少しずれてしまいますけど」という枕詞をつける
  • 時間はコストだから時間をかければそれだけコストが発生する。時間は一定以上経過すると効用が減ってくる
  • 自分の言いたいことをまとめるトレーニング…ブレッドポイント。MTGやプレの前に自分の言いたいことをA4箇条書きで5~7行でまとめる
  • こちらの準備は8割にまとめ、残り2割は相手との議論で作り上げ、相手に主体性を持たせる
  • What gets measured, What gets done … 測定っできるものは成し遂げらる(BCGでよく使われる言葉)
  • 自分の物差しで測り、自分で成長を図ることで、「楽しく努力」することができる。どんな些細な物差しでも構わない

 

以上

| ビジネス書(一般) | 23:05 | comments(0) |
いたいコンサル すごいコンサル 究極の参謀を見抜く「10の質問」 / 長谷部 智也

■概要(Amazonより引用)

同僚、先輩、経営者、発注者としてコンサルの世界を見てきた筆者が、できるコンサルを見抜くために必要な10の質問を明示。10の質問の背景に、どのようなコンサル業界事情と思考法が存在するのかを明らかにします。
「明日の朝から」行動をどう変えるべきかを提案できるか、社内の意思決定者を見抜けるか、「年契約」はお薦めできない、コンサルを起用すべきではないテーマ、文化歴史教養オタクのコンサルにも注意などなど、コンサルには耳が痛い内容が満載。コンサルが、クライアントを強くするためのには何が必要なのかも明らかにします。アナリストからパートナーまで16年間つとめてきた経験を駆使して、良いコンサルの見抜き方、活かし方を本音ベースで解説します。

 

■所感

著者の言う通り完全に大衆化しつつあるコンサルティング業界。

自身の成長と価値発揮を徹底的に追及している「すごい(というかまともな)コンサル」と結果的に見た目や振る舞いだけを真似ている「いたいコンサル」に分かれているというのが著者の主張である。しかし、「いたいコンサル」も「すごいコンサル」を目指している分だけまだ可愛く、現状はもはや根本の「すごいコンサル」という理想像すら揺らぎつつあるように感じる。

つまりそこには、いたいコンサルですらない、毒にも薬にもならないような高級派遣者や高級作業者が溢れかえっているようにも思える。

そんな状況下で改めて「コンサルたるもの」をシンプルに、明確に、具体的に表現してくれているのがこの本である。

特に「2. 最終提言を「第0日目に30秒」で語れるか?」「4. 能書きではなく「アクション」至上主義か?」「6. 「直言」できるか?」は本質的なコンサルの価値である。逆に言えば、できていないコンサルが多いと感じる部分でもあり、事業会社としても特に気に留めておかねばならない部分だと思う。

タイトルのキャッチ―さとは裏腹に中々骨太な本である。コンサルタントとそれを使う側の双方にとって必読の一冊だと思う。

 

■メモ

・本来の理想像は第二世代のアントレプレナー。刺激的、面白い。

・業界構造 −プロフィットとバリューチェーンの推移

・最終提言を0日目 −パターン認識×経験→A41枚で「これだけは伝える」を整理

・アクション −現場のアクション(≠財務的KPI)を管理するKPI、意識より行動が先で結果的に浸透につながる

・直言 −Noと言えないコンサルタントは企業価値を棄損する。作業を担うコンサルタントと緩いクライアントの後ろ向きなWin-Winの関係。品質基準の弱いコンサルファームに多い。

・目先の収入や規模を追いかけるファームは、クライアントに言われた通りのレポートを書き上げるようなサービス業化してしまう。

プレーンストーミングでクライアントの仮説を進化させることができるか

・望ましい形の長いプロジェクトは、あるテーマでやり遂げる中で新たな戦略課題に付き合たり、それを問題提起して新たなプロジェクトにつなげること

・資質 −マゾヒスト、ナルシスト、知的好奇心旺盛、アマノジャク

・人対人へのロイヤリティを感じる若手世代のコンサルタント。

・教養は「思考の癖」をつけるためにある。何を見て、何を感じ、何を学び、どういった苦労を重ねたかが重要で、ただ知識を増やすだけの教養はあまり意味がない。

 

以上

| ビジネス書(一般) | 10:43 | comments(0) |
衰退の法則 / 小城 武彦
評価:
小城 武彦
東洋経済新報社
¥ 3,240
(2017-05-26)
コメント:衰退の法則 / 小城 武彦

本記事も一部でサンガ経営陣というか京セラ批判的な要素があるが悪しからず。全てはサンガを愛するが故である。

 

■概要(Amazonより引用)

なぜ、同じような業界・経営環境でありながら、繁栄する企業と破綻する企業に分かれてしまうのか?
なぜ、衰退を認識していながら、破綻に至るまでそこから脱却できなかったのか?

破綻する日本企業には「衰退のメカニズム」が存在する。通常は大きな問題を引き起こすことはないし、見過ごしてしまうことが大半である。しかし、ひとたび事業環境が変化をすると、突然牙をむき始めて、ズルズルと業績を下げ、企業を破綻に追いやってしまう、いわば「サイレントキラー」である。具体的には、ミドルによる社内調整、出世条件と経営陣登用、経営陣の資質と意思決定……、といったことが、企業の業績の成否を分けている。御社にはこのサイレントキラーが眠っていないだろうか。また、サイレントキラーの駆動を避けるには、何をすべきだろうか。企業再生の最前線で活躍してきた著者が膨大な現場の生の声と、経営学・心理学の知見から紡ぎ出した経営組織論のフロンティア。

 

■所感

昨年読んだ本の中ではぶっちぎりで面白い本だった。学術書ではあるが随所に示唆に富んだコラムが差し込まれとても読みやすい。

本書を要約すれば、古くからの日本企業には自走する厄介なサイレントキラーが潜んでおり、それは有事に牙をむき、一度走ると止めることは容易ではない、ということ。その一方で、優良と言われる企業においては、そうした性質を有しながらも、ファクトベースの規範と人事部局の統制に基づく公正な人事プロセスにより、サイレントキラーを食い止めることができている、ということらしい。

 

現在、組織風土の問題というのは、往々にして内部にいる誰もがなんとなくおかしいと思いながら、しかし顕在化している問題が多すぎるゆえに全体像がとらえきれていない状況となっている。本書はそれを4つの簡潔な枠組み「トップの意思決定」・「ミドルの社内調整」・「人事プロセス」・「経営層のリテラシー」でとらえ、且つ、それを抑制するための仕掛けの可能性まで示唆してくれている見事な一冊である。

しかも、従来この組織風土領域の分析は、多くの書籍において著者の主観に基づく仮説の域を出なかったのが、学術的な定量アプローチから解き明かしている点に決定的な重要性がある。素晴らしい。

 

さて、Jリーグにおける衰退企業の筆頭といえば、やはり京都サンガだろう(あとジェフ千葉)。下記のメモに記載しているが、クラブの特徴は、サイレントキラーのいずれの要素にもしっかりと当てはまっている。要は、本書で言うところの「トップの意思決定の品質が低い/意思決定できない」→「ミドル(GM)の権威化・調整」→「不可解な人事プロセスの連続(経営・現場)」→「経営層のリテラシーの低下(親会社人材)」というサイレントキラーを見事に自走させてしまっている。そして何より、優良企業と衰退企業の最も明確な差である「ファクトベースの規範」と「公正な人事プロセス」について、非ファクトの情緒的な意思決定及び不可解な人事プロセスと、まさに地で逆を行っている。

その背景にあるのは、科学的根拠ではなく神秘的根拠を重視する経営陣による非ファクトの情緒的な意思決定、そして、クラブOBか京セラかという非常に密室の昇格プロセスといった独自性である。

このあたり、問題は親会社の出向人材の資質の低さだけではなく、親会社の予定調和に完全に巻き込まれていることにも起因している。投資や宣伝の意図ではなく、情緒的な関係性の中でクラブが存続している以上、経営陣に課されるミッションは対現場にはない。対親会社が重要なのであり、そこに明確なビジョンやミッションなど生まれるべくもない。つまり社長たちにとっては、改革とは無縁の、親会社の意を気にした予定調和的な行動をするインセンティブしかない。また、社長自体が2〜3年で変わることを前提としており、下記メモ記載の「愛社精神」とは異なる重要指標である「組織を背負う覚悟」を社長が持ちにくい環境もその一因であろう。よって、京セラとの関係が問題なのは、経営人材の質だけでなく、クラブの目指す方向性自体が歪になることでもある。

 

先日当ブログでは、『京セラ悪の経営術』を基に経営リテラシーの低い人間がサンガの社長に就任する理由を記述した。対して本書は、その結果として内部ではどのような衰退サイクルが起きるのかを構造的に理解する助けにきっとなるだろう。

理解できたところで何が変わんねん!と言われればその通り。だが、どこを変えればいいかわかるだけでも、建設的な議論の一歩にはなるかもしれない。そんな思いで、この漆黒のブラックボックスを解き明かしていくことを諦めずに、たまに心折れそうにもなるが、微力ながら吠え続けていきたいと思う。

 

 

■メモ

  • サイレントキラーのサイクルは〃弍朕悗琉媚弖萃螢廛蹈札后 殕縦蠶艦妥色彩の強さ、▲潺疋襪砲茲觴卞眥汗哀廛蹈札后  飮前調整の重視と妥協色の強さ、ミドルの出世条件・経営陣登用のプロセス ー幹部意向の忖度・社内調整力・派閥所属・「出すぎず気が利く」という特徴、し弍朕悗離螢謄薀掘次 欟い社内政治力・低い経営リテラシー・実務能力
  • サイクルが起こす現象、〇業環境の変化への感度の変化、意思決定における戦略性・経済合理性の低下、A反テ發頬犹い生じる事業構造改革への躊躇
  • 「しっかりと調整するように」「社内をまとめろ」などの手続き的指示の多さは衰退企業の特徴の一つ。具体的内容を指示することがなく、経営陣のリテラシーを示す要素の一つ。ミドルが社内を調整し合意形成をするという前提がこの裏側にはある。
  • 経営学におけるパワーベース。‘碓譽僖錙次覆修凌佑砲覆蕕蠅燭いら従う)、⊂霾鵐僖錙次覆修凌佑持っている情報が正確でてきかくだから従う)、正当パワー(正当な権限に基づいている)、ぞ淅灰僖錙次塀召┐个いい海箸あるし、従わなければわることがある)の4種類。衰退企業はい吠仆鼎靴討い襦Mノ百覿箸廊↓。
  • 組織を背負う覚悟とは、組織の現在でなく組織の未来との関係を含む意識。いわゆる愛社精神(情緒的コミットメント)とは明確に区別されるべきもの。愛社精神は従来、組織の価値観の内面化を通じた効率的組織運営を可能とするものと言われるが、しかし組織の価値観に沿った行動を促すがゆえに、逆に、組織の変革やイノベーションの阻害要因となりうる側面を有する。逆に、組織を背負う覚悟は、言いにくいことを言う、組織予定調和行動を抑制する影響を及ぼす。これが文化的な癖を補正できる可能性を持つ
  • 本社組織は、経営陣および収益部門という社内顧客に対してサービスを提供する役割を担っているため、意見表面を自粛し、摩擦を回避するインセンティブを構造的に有している。これが社内予定調和行動につながっている可能性がある
  • 優良企業と衰退企業の差異〇実をベースとした議論を尊重する規範。優良企業にも根回しは存在するが、その際のドキュメントはファクトベースになっている
  • 優良企業と衰退企業の差異⊃融部局の統制に基づく公正な人事登用プロセス。人事部門が多大な労力をかけて、個人の評価情報を収集し、個人の評価に関して上長よりも人事部門の方がより多くの方法を有している。そしてそれゆえに社内で高い信頼を獲得している
  • オーナー企業においては腹心の活用がカギ。PDCAサイクルを高速に精緻に回すことで、周囲のリテラシーのボトムアップに寄与している

 

以上​

| ビジネス書(一般) | 22:57 | comments(0) |
京セラ悪の経営術―急成長企業に知られざる秘密 / 滝本 忠夫
評価:
滝本 忠夫
イーストプレス
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(1999-11-01)
コメント:京セラ悪の経営術―急成長企業に知られざる秘密 / 滝本 忠夫

サンガサポーター必読の一冊だろう。

 

■概要(Amazonより引用)

社員にただ働きをさせるノウハウ、不祥事を起こした官僚の天下りなど、京セラと「経営の神様」と仰がれる稲盛和夫名誉会長の知られざる実態を、元京セラ社員が自らの体験を交え語る。

 

■所感

このブログではかれこれ10年くらい京セラ出身の社長たちを批判してきた。ふとそのルーツを探りたくなって読んでみた本書。

著者は元社員ではあるものの、会社とは喧嘩別れに終わっている人物であり、あくまで設計を担当する部署にのみ在籍していたことも踏まえれば、ここに書かれた内容の全てが京セラの全てと捉えることはできない。また、そもそも約20年前の本であり、現在とは異なりワークライフバランスや働き方改革などの概念が存在しなかった時代の話である。

とはいえ、登場人物や部署名が実名で登場する記載内容は非常に生々しさがあり、当時の状況を知る上で、事実ベースの記載箇所についてはある程度参考にしてもよさそうに思う。(逆に言うと、ついに一度も会えなかったという稲盛会長に関する記述などは鵜呑みにはできない)

 

そのような前提を踏まえたうえで、あえて記載の内容を基に京セラという会社を描写するならば、その特徴は異常ともいえる強烈なコストカットカルチャーだろう。製造原価の削減のためには同業他社の部品も可とし、全てのコストの責任は責任部署の採算において厳密に管理される。管理費においては鉛筆一本買う事も許されず、労務費は残業を申告しづらい仕組みをルールとして整備している。

何よりそれを可能としているのは、従業員に疑問の余地を挟ませないためのハード/ソフト両面における徹底した同質化施策である。先日読んだ『エンゲージメント経営』の言葉を借りれば「働く動機の上書き」ともいえる。つまり、コンサルティングファームやリクルートなどの一部のベンチャー母体の企業に共通する、社員動機が同一的な会社の特徴の〆陵僂垢訖雄爐瞭碓貔、¬棲里柄碓基準に基づくペナルティ(時間当たり採算性、連帯責任)、J頂神の高いコミュニティ(休日返上の文体活動)を持っている。さらに京セラの場合は、「フィロソフィー」「スプーン曲げ」や「潜在能力」などのカリスマ経営者の信念に基づく「神秘的」な啓蒙・教育活動が、法令違反をもいとわないコストカットカルチャーの土壌を確固たるものにしている。

また、こうした極めて独自性・密室性の強い環境の中で育つ社員は、外部的なスキル市場価値の低下と内部価値のスキル醸成を中心としたスキル形成が行われるため、結果として内部価値が高くなる一方で、外部価値は一向に高まらない。それにより結果として自社内の優秀社員の囲い込みにもつながる。悪く言えば、密室・密閉された環境の中で飼いならされ、そこでしか生きていけない状況へと追い詰められていくという訳である。

 

さて、上記の内容を読んだ後で、歴代のサンガ社長たちを思い浮かべるとどうだろうか。

お世辞にも外部の企業や機関のトップを務められると思えない経営リテラシー(毎度簡単にろくでもないGMに乗っ取られる)、責任感の無さ(サポーターズミーティングを忙しさ等を理由に中止、成績が落ちれば説明なしで退任、事務的な挨拶)、科学的根拠や論理性皆無(「秋田は自分が絶対にJ2には落とさないと言ってくれたから」「6人の中で断トツ布部監督でした!」)、それでいて妙に情緒的で浪花節的なやり方・語り口(妻の作ったクッキーを配ったり、サポーターズミーティングで泣いてみたり)…

そこで起きていたのは、端から見ればズレまくった言動ばかりであった。そしてその意思決定をいくら問いただしても、そこには論理性や所謂”ファクト”とは無縁の内輪の倫理が見え隠れするのみだった。

 

一時期は、京セラがまともな人材を送り込んできていないのではないかと思ったこともあった。だが、本書を読んで少し考えが変わった。恐らく歴代の社長たちは決して京セラ内部でローパフォーマーだったわけではなく、むしろハイパフォーマーだったのかもしれない。京セラという特異な環境で高いパフォーマンスを発揮していたからこそ、ある種外部での適応障害にあってしまったのかもしれないと。

内部価値を上げるほどに他所では使い物にならないという同質化のメカニズム。これに愚直に適応していたにも関わらず、染まり切ったシニア年代で、クラブ経営という何万人もの直接的なステークホルダーへの説明責任が問われるポジションに出されるという完全なミスマッチ。これを不幸と呼ばず何と言えようか。

何より感じたことは、京セラから定期的にミスマッチ人材が社長に送り込まれてくる既存のシステムは、誰も幸せにしないんだなと。そしてそれは、単純にローパフォーマーが排出されていると感じていた以前に比べてもより絶望感が深くなったということでもある。

 

2019年現在、サンガは一時的に過去2年に比べ多少上向く状況にあるものの、それは5〜10年単位で見れば一喜一憂程度のものである。残念ながらやはりこのシステムが変わらないことには本質的には変わらないだろう。きっとまた2〜3年スパンで唖然とするようなGMや監督人事、謎の移籍、そして有望株の流出が起き、そして方針自体が大きく変わる。過去同様、この繰り返しは恐らく避けられない。

これは予言でも何でもなくサンガが歩んできた道のりそのものである。京セラのスポンサードを受けるというのは、つまりこういうことなのである。

だからこそいつの日にか、この地獄のぬるま湯から逃れ、一人立ちする日を、何とか、何とか実現したいと思うのである。

 

 

■メモ

  • 京セラの仕事のやり方で最も驚いたのは、設計するときに全く頭を使わずに設計することであった。とにかく何も考えず設計する。設計が悪くて作り直したことがまたダメで、また作り直すのが日常茶飯事であった
  • 京セラでは「出すのものは屁でも嫌う。入るものは糞でも喜ぶ」に近い。これらを実行する手段として時間当たり採算性が採用されアメーバ経営が実施されている
  • 京セラでは責任者に支払われる手当が一銭もない。だからいとも簡単に組織変更が実施できる
  • 京セラの労働組合は労組同軸でなく、労組同輪。同輪なので同じようにしか動けない。労働組合費を徴収するだけのシステムに近く、文体活動だけはしっかり行う。参加は強制。あれだけの利益を上げながら世間相場を超える賃上げは一切ない
  • 時間当たり経常利益の月ごとの予定表を1年分精緻に作る。その際、全てにおいて昨年をはるかに上回る数値を要求される。低いマスタープランしか出せないアメーバは研修会でどうしたら高いプランが作れるか何度も何度も検討が行われる
  • 達成不可能な計画を立てながら、未達の場合には責任者を絞り上げる
  • 良い点は責任の明確化(客先からの返品クレームは責任部署の出費)と社外からの部品購入が可能(グループ内との競合会社であっても)な点。コスト削減は徹底している
  • 保険をかけていないものであっても、壊れれば保険から出していた
  • 実際には従事していない作業者の勤怠も使いながら、研究開発の補助金を不正受給していた。その対策として通産省からの天下りが多数存在している
  • シャープペンシル、消しゴム、ボールペンなども個人の費用で購入しなければならない
  • 各アメーバでは稲盛会長が関係するイベントのチケットを有償で割り当てられるため、外注メーカーに圧力をかけ購入させ、余った分はお客様に無償で配布する
  • 時間外・無休で従業員に朝掃除・トイレ掃除・草むしり・窓ガラス吹きなどをやらされている
  • 有給休暇をとらせない
  • 数多くの規制による残業申請を取らせないようにして、ただ働きをさせている(連帯責任制により申請しづらい体制を作っている)
  • 従業員が退職者に送別会を開くことが禁止されている
  • 仕組みとしてただ働きをせざるを得なくなっている一方で、稲盛会長は絶対そういわないところが「稲盛会長のすごいところ」
  • 有休をとると時間当たりの生産性の単価上昇になってしまうため、査定に響く。よって、「稲盛会長は責任者クラスが大変困るようなシステムを作り上げ、そのシステムにより、責任者クラスが率先して従業員を奴隷のごとくこき使わざるを得ないような手をよく考えたものだと、ほとほと感心する」
  • よく「仕事のできるやつのところに仕事は集まる」という言葉が使われる
  • 稲盛会長は「潜在能力」を重要視する一方、学術的・科学的なものを疎んじる。「日夜考え続け潜在意識に透徹する状態になってはじめて今まで見落としていたような細かな現象に気付き判断できるようになるのです」といった話を毎回稲盛会長からされるため、誰も科学的にものを考えなくなる。
  • 実際にスプーン曲げや「念」等の超能力(火事場の馬鹿力)に関する研修がある(!)
  • 「京セラでは稲盛名誉会長への信頼は絶対で、その代わりほかの役員への信頼はほとんどないといっても過言ではない。よく社員の間で、将来京セラがどうなるかとの話が話題になることがある。(中略)そして、あとに続くのが、「会長が死んだらうちの会社はいったいどうなってしまうのかね!」である」

以上

 

 

 

| ビジネス書(一般) | 01:03 | comments(0) |
イノベーションのジレンマ / クレイトン・クリステンセン
評価:
クレイトン・クリステンセン
翔泳社
¥ 2,160
(2001-07-03)
コメント:イノベーションのジレンマ / クレイトン・クリステンセン

■概要(Amazonより引用)

「偉大な企業はすべてを正しく行うが故に失敗する」
業界トップ企業が、顧客の意見に耳を傾け、新技術に投資しても、なお技術や市場構造の破壊的変化に直面した際、市場のリーダーシップを失ってしまう現象に対し、初めて明確な解を与えたのが本書である。
著者、クリステンセン教授が掲げた「破壊的イノベーションの法則」は、その俄に信じがたい内容にも関わらず、動かしがたいほどに明晰な事例分析により、米国ビジネスマンの間に一大ムーブメントを引き起こした。
この改訂版では、時代の変化に基づく情報更新と破壊的イノベーションに対応するための組織作りについて、新章が追加されている。

 

■所感

学術寄りの本書は読みやすい本ではないのだが、言っていることは一貫して「持続的成長を上げた企業の組織の価値基準・プロセスは、むしろ破壊的イノベーションの妨げになっている」というシンプルな結論である。これはイノベーションを目指す企業に対する重要な指摘である。また、個々の論理的な判断に基づく業務・人のマネジメントが、必ずしもイノベーションのためにならないという個人レベルに対する指摘でもある。

イノベーティブであるというのはどういうことかという本質に迫る内容であり、企業経営やコンサルティング、新規事業、人事に関わる者であれば必読の書籍であろう。

 

 

■メモ

  • 組織の構造と組織を構成するグループは、その組織の主要製品を設計しやすいように作られている可能性が高い
  • 実績ある企業は、期待する収益のために、資源を持続的イノベーションに投下し、破壊的イノベーションには与えない
  • ある技術的なチャンスが魅力的かどうかと生産者がそれを追求するのが難しいかは、関連するバリューチェーンのどこに位置しているかによって決まる
  • 優れたマネージャーは意味のあることを実行し、何が意味を持つかは属するバリューチェーンによって決まる故に、企業は破壊的イノベーションの失敗を繰り返す。安定経営のパラダイムは、破壊的技術を扱うには役立たない。
  • 顧客の意見に耳を傾けよというスローガンはいつも正しいとは限らない。むしろ顧客は持続的イノベーションに向かわせ、破壊的イノベーションへのリーダーシップを失わせることがある
  • 顧客が現在必要としていないイノベーションについては顧客を頼るべきではない。この場合は顧客の声ではなく、奇跡グラフによる分析をするべき
  • 市場がなかったために失敗したプロジェクトは、マネージャーの評価に傷をつける。このような失敗にはコストがかかり企業の傷つける(よって破壊的イノベーションに向かいにくい)

 

  • 組織の性質に関する5つの基本原則(を認識手していることが重要)
  • 〇餮擦琉預検Mノ百覿箸了餮伺枴のパターンは、実質的に顧客が支配している
  • ⊂規模な市場は、大企業の成長需要を解決しない
  • G鵬的技術の最終的な用途は事前にはわからない(存在しない市場は分析できない)。失敗は成功への一歩である
  • ち反イ稜塾呂蓮∩反テ發覇く人間の能力とは関係ない。組織の能力は、そのプロセスと価値基準にある。現在の事業モデルの核となる能力を生み出すプロセスと価値基準が、実は破壊的技術に直面した時に、無能力の決定的要素となる
  • サ蚕僂龍ゝ襪六埔譴亮要と一致しないことがある。確立された市場では魅力のない破壊的技術の特徴が、新しい市場では大きな価値を生むことがある

 

  • 破壊的技術に直面した時の対処法。1,2は問題が多いが、3は可能性があることを示す事例が多い
  • /靴靴せ埔譴、大企業の買収、増益の軌跡に有意義な影響を与えるほどの規模に短期間で拡大するように、市場の成長率を高めようとする
  • ∋埔譴形成され、性格が明らかになるまで待ち、「十分にうまみのある規模」に達したところで参入する
  • G鵬的技術を商品化する業務を、初期の破壊的技術による売り上げ、利益、わずかな注文を十分に業績に生かせる主規模な組織に任せる

 

  • 経営者がプロジェクト成功の可能性を高めるためには、参加者全員が、組織の将来の成長と利益になるために重要だと考える環境で、プロジェクトを進めるようにすればよい
  • イノベーションは困難と不透明に満ちている。そのため、このプロジェクトは常に組織と成長を高めるために通らなければならないと全員が考える道上に位置付けておきたい。それであれば、問題が起きても、どうにか解決し成功する方法を見つけるだろう
  • 新しいバリューネットワークに参入した企業のその後成長率(37%)、既存同の成長率(6%)
  • 組織のできること/できないことは「資源」「プロセス」「価値基準」の3つによって決まる

 

  • 組織の新しい能力を生み出すための選択肢
  • /靴靴せ纏に適したプロセスと価値基準を持った別の組織を買収する
  • 現在の組織のプロセスと価値基準を変えようと試みる
  • F販した別組織を新設し、その中で新しい問題を解決するたに必要な新しいプロセスと価値基準を育てる

 

  • 過去の例から破壊的技術に新技術はいらない。むしろ実証済みの技術からできた部品で構成され、それにまでにない特性を顧客に提供する新しい製品アーキテクチャーの中で組み立てられる

 

以上

| ビジネス書(一般) | 11:51 | comments(0) |
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