murasaki

記憶の記録。あるいは独白。
ロジカル・シンキング Best solution / 照屋華子・岡田恵子

■概要(Amazonより引用)

(前略)本書は、コンサルティング会社であるマッキンゼーのエディターとして活動している著者が、「ロジカル・コミュニケーション」の新しい手法について述べたものである。そのポイントは、話の重複や漏れ、ずれをなくす技術である「MECE(ミッシー)」と、話の飛びをなくす技術である「So What?/Why So?」を身につけることである。

(中略) これらの技術を何事においても習慣づけることによって、論理的思考力や論理的表現力がかなり向上するはずである。実践に即した問題も随所に載っているので、楽しみならロジカル・コミュニケーションを身につけられる。

 

■所感

自分もそうだが、「ロジカル」を先天性の能力と思い込み、自己流で悪戦苦闘していた人間からすれば、本書の内容は目から鱗の連続となるはず。記載の内容を実践しているか実践していないかでビジネスマンの力量に差が生まれる可能性は高いと思う。

難点として、大・中項目の設定が不適切な箇所があるため全体の構成が掴みづらかったり、練習問題の回答が用意されていなかったりといったマイナス要素もあるが、総合的には他人に薦めたい本である。

尚、本筋の内容ではないが、何気に印象に残ったのは巻末のQ&Aにおける質問。「コミュニケーションをするときに、結論を真っ先に伝えるというのはいかにも欧米的で、日本のビジネスマンには馴染まない、と思うことも多いのですが・・・・・・。」という質問に対して、「「論理の構造」と「メッセージの伝達順序」は違うもの。伝えるときには、もちろん、根拠から伝えるケースもある。」と回答している。この点は意外と勘違いされている気がするかもしれないと感じた。

 

■メモ

.瓮奪察璽犬裡獲弖

 本書の軸となる考え方。相手にメッセージを伝える際には常に「課題」「(それに対する)答え」「相手に期待する反応(理解してほしいのか、意見がほしいのか、行動してほしいのか)」を何よりもまず明確にしなければならない。

 

◆峽誅澄廚相手に伝わらないときの落とし穴

 上記の「答え」は「結論」「根拠」「手段」によって構成される。その中でも「結論」が相手に伝わらない場合の落とし穴が以下。

 ・「結論の要約」ではなく、「自分が言いたいことの要約」になっている。

 ・「状況によっては」「場合によっては」が同床異夢を生んでいる。具体的に「どの状況」のときに「どう」するのかを明確にし、曖昧さを排除することに努めなければならない。(例:収益の動きを見ながら→前年比で100%を切っている場合は)

 

「根拠」が相手に伝わらないときの落とし穴

 ・「Aが必要だ、なぜならAがないからだ」では相手は納得しない。

 ・「事実なのか、判断/仮説なのか」を疑われた時点で信ぴょう性は半減する。どちらなのかを明確にして、その根拠を示して説明しなければならない。

 ・「前提条件や判断基準」を「言わずもがな」と思っているの自分だけ。特に判断基準は明確に示さなければ相手は納得しない。

 

ぁ崋蠱福廚相手に伝わらないときの落とし穴

 ・他の会社や10年前でも通用するような公理では誰も納得しない。

 ・修飾語で物事が具体的になることはない。(抜本的に、全社一丸で、重要課題として、など)

 

ァ峽誅澄廖嶌拠」「手段」を整理するためのアプローチ

 以下の実践により、話の漏れ・重複・ずれ・飛びをなくし、ロジカルな状態に近づくことができる

 ・「MESE(ミッシー)」の様々なパターンを使えるように実践しておく(3C、4P、効率・効果、期間など)

 ・話の論理構成において、上から下に「Why So?」、下から上に「So What?」の状態が明確になっている状態を追求する。

 

ο斥はコンパクトなほどよい

 ・縦の階層化は相手がどこまでの説明を期待しているかによる。(本書ではレベル2〜3のケースが多い)

 ・MESEの分解の目安は多くて4〜5つ。それ以上の場合は切り口を変えたほうがよい。でないと相手の頭に残らない。

 

論理の組み立ては主に2パターン

 どのような場合においても、以下の2パターンのそれぞれ、もしくは上下間での組み合わせで論理を組み立てることになる。

 ・「並列型」…結論に対してMESEな複数の根拠を用意する方法。多くのケースに使える基本構造であり、MESEの切り口が相手の納得感の鍵になる。

 ・「解説型」…結論に対して、「事実」→「判断基準」→「判断内容」の順で論理を組み立てる方法。客観的な事実で共通認識を作り、自分の思考の流れを通して、妥当性を伝える/意見をもらう/複数の案から選択した案の妥当性を説明するとき等に有効。事実の客観的な正しさ、判断基準の妥当性が特に重要になる。

 

以上

 

 

| 書籍 | 20:37 | comments(0) |
コンサルタントが入社一年目に学ぶエクセルの教科書 / 高山俊

■概要(Amazonより引用)

一流コンサルティングファームで、新入社員向けのエクセル研修を担当する現役コンサルタントが、そのテクニックを1冊にまとめた。

本書を読めば、ビジネスパーソンの誰もがあこがれるコンサルタントのエクセルレベルに、たった3日で到達できる。

 

■所感

エクセルの各種テクニックを解説した書籍は多いが、どの作業でも必要になる「基本の型」をこれほど明確に説明した本はないのではないか。

「データを分析して示唆を出す」というゴールに向けて、超初心者レベル(Ctrl+Cなど)のショートカットや関数から具体的な手順までを一切の無駄なく掲載している。めちゃくちゃ勉強になった。

当書で感じたのは「型」の大切さ。振り返って自分の所属する企業では、エクセルに限らずパワ―ポイントや報連相など、日々行う行動の型が明確に規定されていない。結果として、各自が暗中模索の中、先輩を真似しながら我流の型を身に着け担当業務をブラックボックス化している状況がある。

著者が所属するコンサルファームと事業会社では依然大きな人材の質の差が存在するが、それは決して採用時点の質の差だけでない。対外的なサービスの提供者であるコンサルファームとあくまで社内向けサービス提供者の企業の経営・間接機能における、質の底上げ・標準化に向けた努力の差も強く影響しているのだと感じた次第。

 

■メモ

日常で使えていなかった手法を羅列

 

・Ctrl + tab  エクセルの切り替え

・Ctrl + shift + 1  整数&桁区切り

・Ctrl + shift + 5  パーセント

・Shift + f11  新しいシート

・, ,  後ろの桁を省略

・出所や時点、計算方法を常に入力する

・<>  等しくない

・*  ワイルドカードで曖昧検索

・Vlookの代わりにindexとmatch

・Vlookを行うときは上部に常に列番号を記載

・Iferrorを積極的に使う

・<>’’’’  入力済みのものすべて

・合計を別の方法で検算

・データ分析の4ステップ  |噂秉厳→⊃傾猝椶虜鄒と集計→クロス集計→ぜ┷兇世掘Ε如璽燭猟媛叩→,北瓩襦 

・ピボットを使わないデータ整理のコツ  .灰團擇妊掘璽汎瓜里魴劼ない、▲如璽燭魑嬶させない

・重複の削除  常に確認を実施

・常に合計値で間違いないかチェック

・区切り位置指定ウィザードは便利

 

以上

| 書籍 | 12:45 | comments(0) |
V字回復の経営 / 三枝匡
評価:
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■概要(Amazonより引用)

(前略)本書のストーリーは、事業再建を専門にするコンサルタントである三枝が、過去にかかわった日本企業5社の事業改革を題材にしたもの。ストーリーはノンフィションとフィクションの間、つまり5社での体験を素材に、どの企業にもあてはまる「経営改革のモデル・ストーリー」を構成したものである。

本書はフィクションであるが、それを感じさせない強烈なリアリティーを放っている。改革のもと、社内に生じる政治力学、葛藤、抵抗勢力とのかけ引きといった細部が徹底して描きだされているのだ。著者はストーリーの進行に合わせて組織硬直化の「症状」を分析したり、改革の「要諦」をまとめたりして、逐一処方箋を示していく。(後略)

 

■所感

本書含む著者の3部作は、日本のビジネスマンに勇気と活力を与える名著だと思う。

まず素晴らしいのは事業会社のリアルな描写。ステレオタイプ的な描写で終わりがちな所謂「日本企業」の風土、組織力学、政治性、現場の心情を小説形式で的確且つ辛辣に描いている(出席者の多い会議、管理者たちのすくみ合い等)。続いて改革の過程についての思考のアプローチから実行段階までを、論理面だけでなく人心掌握的な情緒面も含めて、水が流れるようなスムースさで伝えることができている。結果として読者は、自分の所属する組織に対する問題意識に確信を得られると共に、自分の持ちうる手段の乏しさや具体的行動の少なさを反省し、自分のこれからの仕事の姿勢を改める勇気と活力、そしてその具体的アプローチを得ることができる。個人的には、自分の進路を決めるうえでの大きなヒントと活力になった本でもある。

印象に残る描写が非常に多い。「業績の良い企業ほど社内は緊張感で満ちており、業績の良くない企業ほど緩い雰囲気」は納得。1作目の「危機的な企業の事務所に入るとすぐにわかる湿気を帯びた静けさ」に並ぶパンチラインだと思った。

 

■メモ

 崔楼茲瞭端貔」は本当か

社員が語る社内常識について事実確認をすることは常に非常に重要。とりわけ全国規模の企業で地域別にバラバラな施策を打っている会社で語られがちなのが「地域の特殊性」。この言説は、本社の戦略部門が進捗や施策効果をうまく把握できないばかりか、結果に対する言い訳に使われがち。また、戦略部門の機能停止にもつながりやすい。

本書では「特殊だと思っているのは本人たちだけで、客観的に分析すると大した特殊性など存在していないことが多い」と述べられている。

 

∧析力不足の壁

現状に危機感を抱いた人は、対策を考えると共にそもそもどうしてこんなことになったのかを自問し始める。結局、社内常識で語られる問題は表層的なもので、その裏にある真の問題を把握する必要があるからだ。しかしそれを見つけることは容易なことではなく、本書では「分析スキル」と「こだわり(執拗さ)」の2点において大きな壁があるとのこと。前者は論理的に議論し数字を重視する気風の弱さゆえにこのスキルに欠ける社員が多いため。後者は抵抗やそもそもデータがないという事態に遭遇することためである。の中に失敗に終わる改革は星の数ほどあるが、改革の切り口を正しく設定できるかはこの作業にかかっている。

 

6餮讐塾鷲埖の壁

総論だけで組織は変わらず、改革案を各部署の業務と管理にまで具現化していく必要がある。が、これが意外と難しい。現実には、現場がサボリを決め込んだり、あるいは本社側が現場に丸投げしてしまったりすることが起きる。ここで必要なのは、≦面な落とし込み能力、燃えるリーダーシップ、政治的軋轢を処理する能力が必要とのこと。

自分としては、大きな改革では実行部隊のトップを改革のチームに入れることが不可欠と考えていたが、本書では改革タスクフォースのメンバーが改革案立案後に実際に組織改編後の部門(カンパニー)トップに就くというアプローチをとっていた。単純な施策ではあるが割と目から鱗だった。

また、やはり組織改編や人事ごと抜きでの改革の成功など不可能と改めて感じた次第。

 

せ温

P100「改革の推進者と抵抗者のパターン」、P344「改革・八つのステップ」は必読。

 

以上

 

 

| 書籍 | 18:28 | comments(2) |
速読日本一が教えるすごい読書術 / 角田和将

■概要(Amazonより引用)

速く読むことできちんと覚えられる最強の読書術。

15万人が実践した1日1冊を苦にせず本を読む技術。

速読を極めて起きる脳の変化によってどんどん頭が覚えられていく!

さらに、「環境」を変えて「経験」を積み重ねていくことで、超スピードでの成長が止まらなくなる。

 

■所感

今日から可能な限り読書の記録をつけていこうと思う。ちなみに上記の★は3を標準とするので、3は決して悪い評価ではない。

 

本書は主に速読の意義、やり方、効果を最大化する方法を中心とした内容になっている。

冒頭で言及されている著者の考え方「速読だろうがじっくり読もうが記憶の残り方は変わらない」については、文中において科学的な根拠が非常に乏しく、いきなり若干の不安を覚えるスタートとなっている。とはいえ、感覚的には繰り返し読む方が頭に残っている感は確かにあり、読み進めていくと以降はそれほど違和感のある個所はなかった。特に速読の方法論については説得力があり、これから大量の本を読まねばならない自分にとってはそれなりに参考になった。

 

■メモ

)×環境×経験=理解

本書を貫く前提の考え方。読書の目的は一言一句を覚えることでなく、自分なりの気づきや閃き(=理解)を得て、自身の行動の改善につなげていくことである。そこで、気づきや閃きを得るために、本を読んで自身の環境に照らし合わせ、少しでも実践を試み経験を積み上げることが重要になる。

 

見て理解すること

速読の最も重要な方法。多くの人は心の中で音読しているため遅くなっているため、文字を「読む」より「見る」感覚(視野に文字を入れる)で進めていくことで速くなる。例えば「ペペロンチーノ」は、「ペ」と「ノ」をサッと見るだけで予測して読めるようになる。一行一秒が理想。

 

F匹濱擇觸慣をつける

忘れても前の行に戻らない。大抵、読書中に自分のことに置き換えて考えてしまうため戻ることが多いが、「読む」プロセスと「考える」プロセスを分け、まずは「読む」を完了させることが大事。

 

っ羇屬了例は読み飛ばしてもよい

よくある「最初結論⇒例⇒最後結論」の構成においては例はそれほど重要でない。あらゆる書籍において前半だけで全体像はとらえられないことが多い。とにかく早く全てを読んで全体像をつかむことが大事。

 

テ匹鵑世薀ーワードを書き出す

覚えているキーワードを手で書き出し、自分の立場・境遇に関連付けてみる。最終的に自分の行動につながっていかないと意味がないため。

 

Σ駭辰SNSへのアップが有効

改めて内容を他人に説明しようとしたときやその際に受ける質問によって、読書中になかった閃きを得られることが非常に多いため、会話やブログ等へのアップが有効。

 

以上

 

 

 

 

 

| 書籍 | 00:08 | comments(0) |
草場道輝 / ファンタジスタ☆ステラ 第一巻
個人的には、本作の前作にあたる「ファンタジスタ」は、数あるサッカー漫画の中で最高傑作だと考えている。
というのも、それまでのサッカー漫画にありがちだった必殺技のごときシュートやドリブルがこの漫画には一切ない。相手DFとの駆け引きや味方との連携、一つひとつのプレー毎のひらめき・判断といった現実的な要素を軸にプレーを描いており、且つそれをドラマティックに見せることに成功している。また、各キャラクターの心理描写も非常に丹念で、そんなキャラ同士が織り成すピッチ外での葛藤には多分に感情移入できるものがあった。
これほど真摯にサッカーというスポーツに向き合った漫画は今もなおないだろう。

で、その続編となる本作、当然ながら楽しみにしていた。本田の起用という如何にも失敗しそうな要素さえ、この漫画であればうまく料理できるのではないか、と思っていた。

結論としては、おもしろかった。
内容としては本田をほぼ主役級の扱いで起用し、所属クラブであるCSKAでの日々を主に描いている。ボランチ起用についての監督との葛藤やロシア代表ザゴエフらしきライバル選手との火花散るやりとりなど、現実の出来事をベースにした展開に、サッカーファンがニヤリとさせられる箇所がいくつもちりばめられている。著者の長所である心理面の描写のうまさが存分に生きていると思う。

ただ、確かにおもしろい、おもしろいのだが、読み進めていくうちに、これはファンタジスタとしてやる意味があったのだろうか、という気持ちが芽生えてくるのも事実。本田のキャラ及びまわりの環境が本当に現実通りのため、強烈な個性を持つ従来キャラとのやりとりにどうも違和感を覚えてしまい、本来の主人公坂本のレアル移籍などのイベントがむしろ邪魔とすら感じてしまうのだ。

そもそも読む前は、本田をあくまでスパイス的に使うものだと考えていた。従来キャラの相関関係に刺激を与える魅力的な脇役として登場するのだ、と。
が、蓋を開けてみれば内容は「本田圭佑物語」の如し。それだけに、本田圭佑物語にファンタジスタのキャラが現実キャラの写し(坂本⇒香川など)として登場しているような感覚があり、ファンタジスタ続編を楽しみにしていた自分としては若干複雑な気持ちがある。話自体を楽しんだ一方、そうした違和感が最後まで拭えなかった。

あとは、見ての通り表紙における本田の絵のバランスが笑っちゃうくらいに悪い。なんとかならなかったのだろうか。こちらも違和感がすごい。

とはいえ、表紙はともかく内容に関しては、上記のような現実とファンタジーの違和感は巻を重ねる毎になくなっていくのだと思う。おそらく今後は現実の展開を離れていくのだろうし、そもそも次巻以降は話のスポットが別キャラに変わっていくのかもしれない。次第にファンタジスタの一キャラとして本田を感じられるようになるだろう。

なんにせよ、単行本を集めようと思える久々の漫画である。それが純粋に嬉しい。次巻以降が楽しみだ。





| 書籍 | 20:58 | comments(0) |
長野まゆみ/鳩の棲家
とある私立高校の入試のときだったと思うが、現代文の試験の問題文として出題されたのが、この小説だった。登場人物の感情などを書ききらず不明瞭な形で文をつないでいくので、読者の想像の余地が多く、そのあたりが問題文に使われた理由だと思う。

高校受験といえど試験までにはいろいろと受験テクニックを叩き込まれているわけで、特に現代文なんかは暗記云々ではなくそういう側面が大きかった。しかしながら、この国語の試験時間中、自分は主語を見極めるとか主観を排するとかそういったもんを完全に忘れ、物語の世界に没頭していた。

昔の小学校とか古い家屋とか懐かしさを感じる情景の中で、少年たちの美しく、しかし無力な友情が映し出される。試験中とはいえ、旧字体を織り交ぜた簡素な文体で描かれた静寂な世界は、無常で、どうしようもなく、その切なさに胸を痛めずにはいられなかった。


国語の試験が終わり、昼休み。なんというかポッカリと心に穴が空いたかのように、無意識に物思いにふけってしまった。出題箇所もよかったんだろうが、思春期の自分の心には、静かに強く響く作品だった。

受験戦争の束の間の、いい出会いだったなと思う。
| 書籍 | 20:46 | comments(0) |
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