murasaki

記憶の記録。あるいは独白。
「個」の差のみで捻じ伏せる <天皇杯4回戦 VS 水戸ホーリーホック>
3−0

1.安藤(渡邉)
2.西野
3.林



サンガにとっての天皇杯開幕戦。格下を相手にJ1クラブとしての組織力や洗練された攻撃を見せることはまったくできず。しかし結果は3-0。要所で見せた個人の力量の差で試合を容易に決めることに成功。何が起こるかわからないカップ戦、とりあえずはこれでよし。

以下スタメン。


GK水谷 6,0 見せ場自体がほとんどなかった。
DF中谷 5,5 この試合でもボールを失う場面が目立った。
DF増嶋 6,5 安定した高さで相手FWを封殺。
DF手島 5,5 意図もなく簡単に前に放り込む場面が多かった。守備でミスはなし。
DF渡邉 5,5 一点目の起点になったものの、らしくないパスミスが散見した。クロスの数も少なかった。
MF安藤 6,5 狭いスペースでの思い切りの良い突破で、数少ない攻めの糸口となった。
MF角田 5,0 序盤での連続したパスミスがわかりやすいが、ミスが多く思い切りにも欠けていた。左SBとしては絞りすぎなポジショニングが気になった。
MFシジクレイ 6,0 中盤においてよくボールを拾っていた。交代後にその存在の大きさを思い知らされることに。
MF加藤弘 6,0 体の入れ方はじめフィジカルコンタクトに巧さを見せた。積極的な突破も非常に好印象で、三点目はその結果。
FW柳沢 6,5 チーム内においても、精確なタッチによる確実な基点として別格な存在感を見せた。トップ下としても悪くなかった。
FW林 6,0 二点目時のシュートミスには唖然とさせられたが、なんとか得点を決めることに成功。その他の場面ではミスも少なく、何度か華麗なタッチと俊敏性を見せた。

サブ
FW西野 6,0 交代後20分は得点含めポストとして絶大な存在感を見せた。しかしその後度重なるファールでリズムを悪くした。
MF中山 5,0 シジクレイとの交代ということもあって課された役割をこなすことがほとんどできなかった。得意のパス出しを発揮することもできず。
FW宮吉 5,5 チームが完全に引きこもってしまったことで、まったくボールが来ず。あれで何かをしろということが無理。



今回対戦相手として勝ち上がってきたのは水戸ホーリーホック。この時点でJ2の10位。序列だけを見れば完全な格下との対戦となった。ただ、完全なサブメンバーで臨んだ昨年の天皇杯一回戦明治大戦での失態もあり、今回は柳沢やシジクレイなどの主軸をはじめ、ある程度のベストメンバーで試合に臨むこととなった。

試合開始。加藤弘がかなりワイドで前に張ったポジショニングを取るため、サンガは実質的な3トップでスタート。序盤から、サイドからの裏への斜めのボールで二度チャンスを得る。この序盤を見る限り、水戸は高いラインを保とうとするのだが、まったくといっていいほどマークを捕まえきれておらず、正直楽な試合になると感じた。
また水戸は、サンガの拙いパス回しをカットしても前線のチーム得点王荒田に簡単に放り込んでしまうだけで攻撃の形が見えなかった。そしてその荒田自身も、結局タイムアップまでほとんど決定機を迎えることが出来ず、聞きしに負けていると言わざるをえなかった。

そして幸先よく先制。右サイド深くでの加藤弘のキープから後方の渡邉にパス。タイミングよく二列目から飛び出してきた安藤に渡邉からドンピシャのパスが通り、DFに背を向けながら右足・左足と2タッチで素早く反転しシュート。ゴール。飛び出しとそこからの得意の反転というアイディアという安藤らしい良いゴールだった。また、シジクレイが全員で喜ぶようにジェスチャーし、みんなで喜びを分かち合っていた輪も、見ていてなんだか嬉しかった。

こうして、早い時間での先制により試合はさらに楽なものになると思ったが、逆にここからは水戸が支配しだすようになる。水戸はコンパクトな陣形と前からのプレスで中盤を制圧。奪えば、序盤とは違い、赤星のところでキープし中盤で細かくつなぎながら最後はサイドに展開、という形を作り始める。最終局面はJ2らしく雑で創造性の感じないもので助かったが、何度か危ない場面を作られていた。
サンガは先制点を奪ったことで、精神的に悪い意味で余裕が生まれてしまい、インターセプトや飛び出しといった積極性が失われ後手後手に回ってしまっていたようだった。

その後は、サンガが守備に人数を割いていたこともあって、そのままある程度余裕を持ちながら守り切り無失点で前半は終了した。

後半は安易なパスミスでやや相手の速攻の起点となっていた感のある中谷に代えて西野を投入。角田を左サイドバックに入れ、ポゼッションの中心となるべく柳沢をトップ下に据えた。

早々にこの采配が功を奏す。相手のボールを奪ってボールを受けた柳沢が右サイドを突破。西野のマーカーから外れる動きを見逃さずピンポイトのアーリークロス。水戸DFの緩慢なマークの間で西野が意表を突く後ろへの落としを林がシュート。しかしフリーの林はまさかのボテボテのシュートを枠外へ、しかし西野が足を伸ばして触りゴール。本人が口元を抑えて顔面蒼白になっていたように、林のシュートミスは大変頂けないものだったが、西野の動き・判断・詰めは非常によかった。糸を引くようなパスを出した柳沢はさすが。

さらに直後追加点。加藤弘の強引な突破からのシュートミスが安藤の足下へ。安藤は意表を突くワンタッチでのDFの頭越しを狙ったが相手DFに当たる。しかし運良く林の前に転がりダイレクトでシュート。林もさすがにこれは決めた。これを機に決定力の復調を期待したい。

さて試合はこれで決定的に。采配的中の二点目はともかく、三点目なんかはかなり運に味方されたもので正直ありがたかった。またやはり、二点目の水戸の西野に付いていたマーカーや、三点目の加藤弘への数人のDFの対応などを見ていると、J1とJ2の差は確かにあるなと感じられた。単純な身体能力・技術にしろ、間合いや球際の激しさにしろ甘さが大いに見られたし、そこに柳沢のパスや加藤弘のドリブルで攻めて来られたらやはり苦しかった。

こうなるとサンガは精神的にも前に出るというもので、前からのプレスやDF陣のインターセプトが目立つ。つまり積極的な守備ができるようになったというわけだ。

ただ、これも中盤守備において終始厳しいチェックと球出しができていたシジクレイあってのこと。彼が退いた瞬間からサンガはセカンドボールを拾えなくなり始め、またもや前半中盤のような水戸ペースへとなってくる。そしてサンガはベタ引きへ。
とは言うものの、これはある意味意図してやっていたものなのかもしれない。前半も半分を過ぎたところで点差は3点差。勝てばいいカップ戦において、ここで無理をする必要はまったくないわけで、最終局面だけ集中しながら得点の気配のしない水戸のボール回しを「させていた」のは当然の判断か。
もちろん3500円を払って観に行ったサポーターからすれば、スペクタクルな攻撃が見たかったし、圧倒的な運動量を以って試合を支配してほしかったのもこれまた当然だが。

その後は角田の誤ったポジショニングや左サイドのサイドハーフが曖昧だったこともあって、赤星のパス・金沢のオーバーラップでやや危ない場面を作られるが、相変わらず最後は堅く跳ね返し続ける。退屈な展開に対し拍手喝采で投入された宮吉が入ってきてもその傾向は変わらず、最後は水戸の集中力・勝利への執着心に陰りが見え始め、余裕の守備で勝利。今年は危なげなく初戦突破に成功した。

水戸はやろうとしているサッカーは悪くなかった。後は最後の精度とゴール前の人数。また、赤星はレッズでスタメンを張れるまでとはいかないが、確かな技術と持ち前のアイディアで唯一サンガの脅威となっていた。J1でも十分に通用するはず。

時折評判を聞いた柳沢のトップ下に関しては、フェルナンジーニョ不在のオプションくらいには考えてもいいと思う。だが正直このレベルの相手ではあまり参考にならないし、なにより彼の最大の良さは、チェックの激しい最前線で確かな基点になれること、そしてそこから抜群の動き出しで自らの決定機を演出できることにある。やはり柳沢には最前線にいてもらいたいと僕は思う。

さてホームサンガ、残然ながら格下を相手に個人技術以外にほとんどJ1の力を見せられなかった。したがって、チームのサッカーとしての進歩・発展といった収穫はほとんどなし。消極的なサッカーに終始していた。
ただこの天皇杯4回戦、浦和や名古屋、なにより鹿島を見ればわかるとおり、ほとんどのJ1勢が勝ちはしてるものの、普段対することのないサッカー・モチベーションに苦労させられている。また現在のサンガのリーグ成績を考えても、この試合は勝利という結果が出ただけで十分に合格点か。まあそれに得点欠乏にあえぐFW二人もようやく得点という結果が残せたわけだし。
したがって、いまはこれでいいと一応は納得する。とりあえずは結果だけを追求くれればいいさ。

次は富山でVS柏。その前には横浜FMとの残留の命運を握る重要な一戦。天皇杯に力を注ぐためにもなんとか勝利が欲しい。まっ口ではなんとでも言えるというのは事実なんだが。
ただ、言うことしかできないのもまた事実。これからも言いたい放題言い続けますよ。


| 水戸ホーリーホック | 23:44 | comments(0) |
+ Twitter
こちらです。 エジミウソン@ejimiuson11
+ SELECTED ENTRIES
+ RECENT COMMENTS
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ PR
無料ブログ作成サービス JUGEM