murasaki

記憶の記録。あるいは独白。
失われた日々を嘆く <2010J1第18節VSセレッソ大阪>
0−1

改善はしたが、状況としては降格に王手。かなり厳しい状態にあるが、今節もとりあえず検証してみた。いつも通り贅肉たっぷりの文章ですが、よければ一読を。



●大きな改善

ここ三節と比べると、守備の組織がようやく構築され、それに伴いチームの狙いがはっきりした。それは、チーム全体は基本リトリートしながらも、DFラインは高い位置を終始保てていたことが大きかった。つまり全体が非常にコンパクトな陣形をとれていた。これにより、今までのようにDFラインとボランチの間を自由に使われることがなくなった。そして連動した複数人のプレスが可能になった。また上記に加えてボランチに加藤が入ったこともあり、パスも若干回りやすくなった印象。

このコンパクトさは、カクテヒが外れ、増嶋がCBに戻ってきたことにどうやら意味がありそうだ。実はカクテヒは、通常のポジショニングにしてもクサビのボールに対してもかなり深く守ってしまう傾向があった。特に水本と二人で組んだときにその傾向は顕著で、それが間接的に多くの失点を作る原因の一つとなっていた。
それに対して増嶋は元々3バックの真ん中を務めていただけあって、ラインの統率に秀でているようで、彼が真ん中に入った試合は割と高くラインを保つことが出来ている。監督の指示もあったのだろうが、この起用法の変化が影響していることは間違いない。


●ブレーキなドゥトラ

守備は確かによくなった。が、問題は攻撃面である。正直言ってこの試合は決定機と呼べるほどのチャンスはなかった。だが、決定機に至りそうなシーンはあった。ではそれがなぜ至らなかったというと、思い浮かぶのはドゥトラである。
個々最近のドゥトラは暑さのせいだろうが、とにかくキレがない。にも関わらずこれまで通り独力突破を図ろうとするため、前線の完全な蓋となってしまっている。ドゥトラが武器が強引さであることは確かだ。中断期あたりまでは、無理めなボールでも7:3くらいの割合でモノにしてしまう強さと速さがあった。が、現在はコンディションが落ちたことでただただ雑さが目立つばかりであり、またちょっとした部分の意思疎通の相違が表面化してしまっている。この試合でも、まともにパスをつなげたシーンが一体いくらあっただろう。さすがにこの状態では、次節はさすがに外してくるだろうと思うが・・・。


●苦しい左サイド

今節、最ももったいなかったと感じるのが、左サイドからの攻撃だ。この試合は相手の右サイドの位置が不安定だったため、幾度となく左サイドで中村太が対面のDFとの一対一を作り出すことができていた。だが残念ながら現時点で中村太には、縦を突破するドリブル、縦を切られた際の内への切れ込みという力とアイディアはないようで、アーリークロスに近いような跳ね返しやすいクロスをあげることしかせいぜいできていなかった。

では中谷を使うかというと、それはさらに閉塞感を作り出すことになると思う。中谷はもともとボールを持って何かをできる選手ではないので、孤立した状態でボールを次につなげなくてはならない現状の左サイドには向かないからだ。対面の相手を抜き去るような仕掛けのドリブルも恐らくないため、中村太以上に不適格なのである。
その点、抜群のスピードを誇り技術もある鈴木はまさに適任であるのだが、こちらは生憎の怪我。間が悪すぎる・・・。

そういうわけで、消去法での中村太のスタメンはやむを得ないと言えるのだが、個人的にはリスキーだが中村充の抜擢を提案したい。現状のサンガに最も欠けているのは、独力で一枚DFをひっぺがしてくれるような選手、あるいは相手エリア内で危険な仕掛けができる選手なのでありつまりドリブラーなのだが、ドゥトラが本調子でない以上中村充しかそれを担える選手がいない。ここ二試合を見た感じでは、テクニックは十分に通用していた。次節の湘南が守備的なチームであることを踏まえても、彼には左サイドで暴れてもらいたい。


●鬼門のボランチ

相変わらずボランチが厳しい。加藤も安藤も依然として物足りない。加藤は無難なプレーに終始し過ぎて怖さがない。ある意味、今節は彼と相手のマルチネスとの縦パスの質の差が勝負を分けたと言っていいかもしれない。また、得点を取るためにはゴール前にボランチの一人が飛び出していく必要があり、もっとリスクを負わなければならない。自分が起用されていることの意味をもう一度考えてほしい。

一方、安藤は残念ながら今節の戦犯に近い出来だった。本来技術に秀でた選手であるはずが、今節はカウンターの第一手となるパスをことごとくミスしてロスト。特に後半のミスの多発はチームをかなり苦しくした。一体どうしたのか。
だが、そんな安藤ですら代える選手がいないのが現状で、ボランチの人材難はかなりまずいこととなっている。したがって、安藤にはここで一皮剥けてもらうしかないのである。
断言できる。安藤の成長なくして、残留はありえない。

ちなみに僕は角田の起用には否定的である。彼のここぞという場面での緩慢さ・ルーズさはかなり気になるし、なんともいえない独特のムラッ気はボランチとしては依然として怖い。なにより、安藤・角田という組み合わせは攻守に中途半端な感が否めない。
ただし、現状で彼が最も得点を取っているというのは揺るぎない事実だ。機能性はどうあれ、結果を出せる選手を使わない手はない、というのは正しい考えである。現状こそそういう選手にすがるしかないのかもしれない。


●運動量

もう毎度のことだが、この試合もラスト20分くらいで明らかに運動量が落ちた。特に、守から攻への切り替え時の後ろ7人の無反応さには怒りすら覚える。逆説的だが、攻撃に人数をかけないから簡単に奪われチームはより苦しくなるのである。現状カウンター以外に勝機はないことを考えても、もうちょっとあそこで頑張れないもんだろうか。やはりサンガのトレーニングは甘かったのか。

ただまあ、これもボランチへの信頼性のなさが原因となっているのかもしれない。あれだけロストされると、後ろは安心してオーバーラップができない。終盤には、ちょっとマークが寄ってきただけで、ボランチにパスをつけるのをためらっている場面が目立った。ボランチ問題は深刻だ。


●あの頃に帰りたい

上で守備の構築については褒めたものの、これは確かに改善ではあるのだが、長期的に見れば改善とは言えない。というのは、レベルとしては加藤政権下の末期に戻っただけの話であるからである。はっきりいって、あの頃でも、これくらいの守備は普通にできていた。つまり、ホントに意味のない監督交代だったなと今節で再確認した。言ってしまえば、ショック療法にもならず、加藤政権下のサッカーに戻すために4節分無駄にしただけ。
ここ最近の一連の報道(GMおかない、秋田監督との一年半契約、補強はしない旨の発言など)も含めて、我らのフロントは本当にどうしようもない馬鹿だ。


●次節に向けて

微かな光もある。それはこの現状を、加藤政権のサッカーの焼き直しではなく、改善の途中と見ることが出来る点だ。もしかしたら次はさらに良くなっているかもしれない。こればかりは誰にも否定はできない。奇跡を祈るのみである。

また、金の奮闘ぶりにもホッとした。今季ここまでは本当にひどい出来だったが、ここにきてようやく本来の力強さが戻ってきた印象だ。サンガでは数少ない勝負強さを持っている選手でもあるし、ここらで持ち前の勝負運を発揮してもらいたい。

ディエゴがいないことは痛い。どう考えてもメリットよりデメリットがでかい。彼がいなくなることでチームワークが上がり、勝利に近づくのでは、という意見をちらほら見るが、そんなのは夢物語に過ぎない。もしそうなら、とっくにやってる。
ただ、今節の金へのラフな放り込みには若干可能性を感じたし、次節にこれが戦術のオプションとして加わってくるのなら、確かにディエゴは邪魔になる。というかディエゴがいない以上ポゼッションは難しく、そちらにシフトしていくべきだという気もする。

なにはともあれ、次節は最大の正念場である。勝てば好転する可能性は十分にある。だが、引き分け以下で終わった場合は、厳しいが今季は終了と言っていい。そして僕は痛感することになるだろう。こうして駄文を書き連ねることの無力さ、無意味さを。





| セレッソ大阪 | 13:12 | comments(0) |
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