murasaki

記憶の記録。あるいは独白。
現行メンバーの完成形 <2010J1第七節VSFC東京>
1−1


この日のサンガのサッカーを一言で表すなら、労働者たちによる徹底したハードワーク。少なくとも負けはしないだろうなというサッカーで実際に負けなかった。そんな印象。



●先制の影響


サンガはラッキーな形で先制。ここからサンガはプレスのポイントを下げ、4人のDFと4人のMFの4-4のフラットなラインでひたすらスペースを消すことを目的にした極端な守備的布陣へと移行。前節の名古屋のごとく、早々の先制点が試合の趨勢を決めた。
もっとも、両チームの力量・戦術・スタメンを考えれば、仮に先制点が入らなくても、試合はきっと東京が支配しサンガが引いて守る形になっていたとは思う(カトQは否定していたが)。しかし今節は先制できた分、サンガの選手全員の中で1-0という目標がクリアになり、守備意識がより統一された。そしてそれが、あれだけの組織的なハードワークを支えるエネルギーとなっていた。


●勤勉な労働者たち

今節は突如として西野がMFとしてスタメンに加わったことで、サンガはコンタクト・高さ・運動量といったフィジカル面への偏重がさらに増加。西野含め7人のDFとガチムチディエゴを中心とした稀に見る超フィジカル重視の10人が休まずプレスを繰り返すのだから、当然サンガのブロックに穴はなく、守備面だけを見るならほぼ完璧と言っていい状態だった。
また守備戦術も、マンツーマンを基礎に東京のポジションチェンジについていきながら、空いたスペースを他の選手が瞬時に埋めていくという非常に洗練されたものとなっていた。しかもそれを、ラインを下げずに、つまり押し込まれずに守れていたということに非常に感心した。これはなにかしらのアクシデントかセットプレーくらいでしか失点することはないだろうなと。

ただし、それだけ守備に人数を割いているということは攻撃はやはり柳沢が孤立気味。また、そもそもが片岡・角田のボランチであり、良いタイミングでの縦パスが入らず、またチームとしても、相手のフォアチェックの前にとにかくリスクを排したロングボールが多かった。
なのでこちらとしても、追加点が入るとするなら、アクシデントかセットプレーくらいだろうなと思っていた。

最終的には双方、運がらみの得点を得たわけで、非常に妥当な結果であった。とりあえず無失点のみを狙いに行き、あわよくば3を取れるようなサッカー、サンガはそういうサッカーを高次元のレベルで行ったと言える。
魅力に乏しいサッカーではあるが、ある意味、現状の監督・メンバーでできる精一杯のサッカーをしたと僕は思っている(にも関わらず勝てなかったことがなんとも言えないところだが)。

あとは、もう少しマイボールを大事にできれば、多少の上乗せが可能かもしれない。



●ポスト佐藤勇人

片岡・チエゴの加入により補強されたボランチ。しかし、両者ともシジクレイの後釜といった印象で、結局佐藤勇人の代わりと呼べる選手は補強されることはなかった。一からボランチのタイプを組み直すのだなと僕は思っていたのだけど、今節で気付き確信した。ポスト佐藤は角田だったのだ。

中盤前目での潰しと前線を追い越していく動き、これはまさに昨年までの佐藤の主な仕事だったが、今シーズンは角田がほぼ完全にその動きを再現している。ミドルシュートの連発までそっくりである。
角田は佐藤ほどの運動量とプレス量はないが、その分サイズがありヘディングも強い。そして現にはっきりと結果を出している。今のところ、佐藤に比べまったく遜色ない活躍を見せている。佐藤移籍の穴は完全に埋めることが出来たと言っていい。

ただこれは、カトQがポスト佐藤を狙って起用したというよりも、相棒との組み合わせにより自然とそうなったという印象。そもそも開幕のボランチは片岡−チエゴだし。
以前から見られた角田の異様な攻撃意識の高さが今は良い方に作用している感じだ。



●ボランチ問題の再燃

ただしこれは昨年と同じ問題を引き起こす要因ともなっている。それは相棒に守備ができて展開ができるボランチ(=シジクレイ)が必要になるという点である。二節で試されていたチエゴは守備・パス出し双方に致命的な軽さが見受けられ現在メンバー外。片岡は守備面は◎だが、やはりディフェンスの選手であり、展開力に大きく欠ける。そもそも、シジクレイほど両方の働きを兼ね備えた選手は稀有であり、いまのところは攻撃面にはある程度目を瞑り、ある種消去法で片岡となっている。
が、そんな状況にも関わらず、ここまでチームはポゼッションへの志向を高める意向を示してきた。

この決定的矛盾に対しての回答が、今節のような守備戦術なら大いに納得である。
だが、カトQが言うように、あの戦法が本当に今節に限ったものであるとするならば、ポゼッションの構築には片岡−角田の組み合わせでは限界があるように感じる。かといって、好調の角田を外すという選択肢はやや考えにくい。しかしそうなると、現行の戦術ではありうるのは染谷くらいであり、片岡とタイプ的にはそう大差ないように思える。というか、リスクを嫌うカトQがあの位置にパサータイプを置くことは考えづらい(安藤がギリギリありえるか?)。

まあ何より、カトQ自身が現状に不満を持っていないだろうし、たぶん今の形のまま我慢強くポゼッションの向上を狙うことになるのだろう。
個人的には、あのスタメンでポゼッションはいつまで経ってもできないと思うので、変にできもしない戦術に拘らず、今節くらいはっきりと守備を打ち出したサッカーを続けていけばいいと思う。ACLはさすがに厳しいが、中位くらいには残れるのでは。

まあなんにせよ、今節のような極端な守備シフトを続けるのどうか。次節の戦い方は気になるところだ。






| FC東京 | 00:14 | comments(0) |
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