murasaki

記憶の記録。あるいは独白。
無能か異能か <2010J1第二節VS鹿島アントラーズ>

1−1



●2-3から1-4へ

今節は開始直後からチエゴをアンカーに置き、その前にフラットな4人のラインを形成する形になっていた。センターハーフにはディエゴの相棒としてオフェンシブな中山を起用。前節の機能不全の明らかな原因となっていたチエゴ・片岡というボランチを予想通り修正していた。

これにより、中山元来のボール扱いの巧みさはもちろん、時には柳沢をも追い越す動きで片岡にはなかった前線での受け手としての役割を果たせていた。こうしてディエゴ・柳沢に絡むプレーができる選手が増えたことで攻撃面での閉塞感はとりあえず打破された。やはりチエゴ・片岡の組み合わせは無理があったわけだ。

しかしこの布陣にも当然弊害はあり、守備時のポジショニングに大きな課題を残した。前半、サンガは約6度の決定機を作られていたが、その半分はセカンドボールを拾われたところからの素早いカウンターだった。これは、中山の最前線へ飛び出しに起因している。チエゴは中盤のかなり深い位置に陣取っているし、ディエゴは当然最前線でタクトを振るっている。そこでセカンドボールを拾われた際にチェックにいける選手がおらず、そのスペースを小笠原や野沢といったパスの名手たちにいいように使われた。つまり中山の攻撃性も一長一短あるということである。
角田が後半から中山のポジションに入ったのは、球際に強い守備的な選手を中央に構えさせておくことで、一長よりも一短を修正することを優先した結果であると言えるだろう。

前半の状況においては、DF陣からしてもラインを下げれば間延びしてさらにヴァイタルエリアを空けてしまうし、上げれば自由に裏を使われるという難しい状況だったため、あの二本のロングパスからのピンチを水本・カクテヒのみの責任と言ってしまうのはやや酷に思えた。もちろん相手のプレーの精度の高さも褒めるべきである。


●4CB

左SBは中村太から森下へと変更されていた。やはり第二節にして4CBは復活した。
これはカトQの言葉にあるように、相手のサイドプレイヤーの攻撃力、2トップのサイドへの動きをケアするためには中村太の守備力では心許ないということでいいだろう。サイド攻撃という理想よりも現実を見据えた上での決断であり、守備の時間が長かった今節においては妥当な判断だったと言える。現に左サイドを一対一で突破されるような場面はほぼなかった。ただ右サイドに関しては、時折増嶋の軽率な対応・ミスが散見された。それでもカトQは増嶋を使い続けるだろうが、徐々に良くはなっているものの、多くのサポーターの思いと同じく僕も修正が必要な箇所だと思う。

4CBへの変更に伴い中村太が一つ前の左サイドハーフに、鈴木が右サイドハーフへ。中村太はわかるが、縦への突破が持ち味の鈴木の右サイドでの起用にはやや疑問が残った。事実、窮屈なプレーが続いており、予想通り前半で交代となった。


●必須条件のスーパーセーブ

昨年同様、明らかな実力差があるチームを相手にしたときに勝ち点を拾えるかどうかは、正直水谷の好セーブに拠るところが大きくなってしまっている。今節も一点もののシーンを少なくとも二度防いでいる。まだまだ奪うべくして奪った勝ち点はないのが現状なのだ。キーパーがなんとかしてくれないといけない状態というのが悲しい。


●ゼロトップ

後半の終盤から柳沢が代わったことにより、サンガに本職のFWが一人もいなくなった。これにより最前線の中山ですら1,5列目にいるような状態になり、所謂ゼロトップになった。これは鹿島に後半半ばからDFラインとボランチとの間にスペースができることを見越していた上での采配ということらしく、事実得点を奪うことに成功した。

ただ、これはゼロトップ云々というよりはディエゴを前線に留めておくことの成果という面の方が強いと思う。このへんは口酸っぱく言っていたというチームスタッフの努力がようやく実ったという感じ。あそこにいるからディエゴはこわいのだ。今後も引き続き言い続けてほしい。


●同点弾

支配を保ちながらウノゼロでゲームをクローズさせることをイメージしている鹿島にとっては、失点シーンにいくつかの誤算があった。
まず、あの場面までほぼ完璧に鹿島の狙い通りの守備ができていたこと。完封のイメージはできていたはずで、オリベイラ監督だけでなく観ていたほとんどの人間が鹿島の得意のパターンを予感していたことだろう。だが、それにより交代枠が使われなかったことで選手は疲弊し、実際あの場面は明らかに鹿島側の守備の人間が戻れていない状態となっている。
さらに言うと、体力面だけでなく戦略面という点で、あの場面以外にほぼ一度もサンガが遅攻からチャンスを作れていなかったことも大きな要因だろう。この日のボランチはチエゴ。守備では存在感を示し、正確なフィードも何度か見せてはいたものの、こと縦パスに関してはセンスが感じられず、あの時間帯までほとんど通すことができていなかった。そしてこれが、サンガが遅攻からチャンスを作れない最大原因でもあった。
しかしあの場面、遅攻からチャンスを見出せないサンガの、さらに縦パスを通せないチエゴから、絶妙な縦パスが通るという予想外の事態が起きた。しかも受け手がディエゴであり、さらにさらにこの試合一番のパスワークが完成し、完璧なコースへシュートが飛んだ。

したがって鹿島にとっては不運な失点だったと言えるかもしれない。あるいは、こういうことがあるから、先に決めておけばという反省にもなるんだろう。


●目処は立つか

チエゴとカクテヒが主に守備面で及第点の活躍を見せた。またチームとしては、チエゴのアンカーに計算が立ったことで、現行システムの最重要箇所が決まり、無事軸が出来上がった。
ただ、これまでの傾向上、カトQは後半の形を次節のスタメンに受け継ぐのだが(そして理想から遠のいていく)、鹿島とカウンター戦術の仙台では違った戦い方が要求される。4CBのセンターハーフ角田というシステムで、果たして仙台から得点を奪うことが出来るのかどうか…
仮にピッチ上で神戸戦と同じような光景が繰り返されるのであれば、この試合も結局偶然に過ぎなかったと思われるのだろう。しかし逆に、今節のような僕らを驚かせるような采配で、再び大きな結果を出すことが出来たなら、奇天烈な采配も信憑性を帯びる。理想はもういいが、兎にも角にも結果に期待したい。



| 鹿島アントラーズ | 22:40 | comments(2) |
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