murasaki

記憶の記録。あるいは独白。
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映画「We are REDS! THE MOVIE〜開幕までの7日間〜」の感想
まだ上半期の総括も終わっていないが、サッカー映画の感想を少しばかり。



当映画は、浦和レッズというクラブに関わる人の姿を映したドキュメンタリー映像。個人的には、「六月の勝利の歌を忘れない」のような選手の素の部分やピッチ内外での葛藤が見られることを期待して最終上映日に滑り込んだのだけど、結論としては期待外れに近い出来だったかなと。
 
まず予想外だったのは、上映時間中、選手が出演するシーンが少ないこと。割合的には選手4:スタッフ3:サポーター3くらいだろうか。確かにレッズサポーターはJリーグが世界に誇れる数少ない財産のひとつであり、老若男女がああして熱狂している姿には改めてレッズという強固な地域密着性を感じさせられた。とはいえ、スタッフの出演部分もそうだが尺が長すぎる。当映画の主役はあくまで選手たちであり、鑑賞者もそれを観に来ているはず。正直、早く選手の出演場面にならないかなーと思ってしまう瞬間が何度かあった。
選手の出演部分に関しては、上記の「量」の部分もそうだが「質」の部分にも不満が残った。誰も彼もカメラを意識したジョークの飛ばし合い(ある種照れ隠し)ばかりで、ほとんどサッカー選手としての「戦い」の部分に入っていかなかった。予告編に使われていた山田と原口のやりとりも、カメラありきのややかっこつけた演技っぽさがあり、議論というには程遠く、芯の部分では全くぶつかり合っていない。剛の部分があるから柔の部分が映えるわけで、もっと練習中や試合前後・HTのロッカールームに入って行ってほしかったなーと。

それでも、選手やスタッフの普段の映像というのはなかなか見れないものであり、淡々とそれら映している分にはまだよかったのだが、終盤の「JAPANESE ONLY」弾幕関連で出てくる字幕が非常に鬱陶しい。長いうえに説教臭い。そもそもお前は誰やねんと。どの立場からものを言ってるのか全然意味がわからない。印象としてはドキュメンタリータッチの映像から唐突にサポーター向けの扇動動画に変わった感じ。そうした主張は文字ではなく、映像の編集で見せるべきだろうに。
また、じゃあそもそもサポーター向けのメッセージが主眼の映画だったのかというとそうでもない。サポーターの日常の姿や裏方の仕事ぶりを多く見せているのはある意味選手向けのモチベーションビデオにも見えるし、最後のとってつけたような差別問題の部分も含め、全体としてストーリーが流れていなかった用に思う。(まあ、ほぼ出来上がっていた映画内容にあの問題を急に織り込まなければならない難しさはあったのだろうけど)
西川で始まり西川で終わるのもどういう意味があるのかいまいちわからなかった。

ということで、結局誰が誰向けに作った映画なのかいまいち伝わらず、ストーリーもなかったので、興味深い映画ではあったけれど胸に響いてくるものはなかった。ただ、我らがサンガでこんな映画を作ることは、経済事情、人気、広報等経営陣のセンス、サポーターの熱さから言って10年後でも難しいわけで、こうした映画の作成が成立するあたりに浦和レッズというクラブのいろんな意味での力を感じたし素直に羨ましかった。上で書いたとおり地域密着性にもかなり大きな差があるということをこの映像で改めて思い知らされた。その意味では、浦和レッズというクラブの偉大さをアピールする映像にはなっていると思う。

当映画には続編もあるとのこと。今度はもうちょっと悲願の優勝を目指す選手たち個々の物語にスポットを当ててくれることを期待して、また観に行きたいと思う。
 
| 映画・DVD | 13:56 | comments(0) |
六月の勝利の歌を忘れない 日本代表、真実の30日間ドキュメント
まるで長編の映画を見たような気分だ。
主人公は21人のサッカー選手と1人の監督。本作は日韓ワールドカップの日本選手団の宿舎入りから解散までを追ったドキュメンタリーである。

世の中には多くのスポーツ選手を題材にした漫画や小説があり、それらの一部は映像化もなされてきた。
しかしながら、本作に映し出された生身の人間たちの現実は、作り物のドラマを越えるほどのドラマ性を帯び、圧倒的な歓喜や悲哀を我々に訴えかける。

ナレーションもなく、宿泊部屋や食事会場、マッサージルーム、移動のバス、そしてロッカールーム、ハーフタイム、試合終了後の選手たちの素顔を淡々とカメラが映す。それらが絶妙な編集によって、ひとつの物語として完成される。見終わった後の余韻は、スラムダンク最終巻読了後のそれに近いと言っていい。 

意気揚々と現地に現れる選手たち。お互いの存在を笑いながら確かめ合う秋田と中山。常に冗談を言い笑いあっている選手たちの様子は実に微笑ましい。
一転ピッチに入れば、厳しい表情で至る所から要求が飛び交う。中田英が檄を飛ばす。
ミーティングでは、鬼の如き顔でトルシエが熱弁をふる。そして緊張の中、スタメンが告げられる。
お互いを鼓舞し合うロッカールーム。怒号と指示が飛び交う。いざ戦場のピッチへ。

輝かしい活躍を見せた選手の陰には、当然、ベンチを温める選手がいる。自己と組織のはざまに起きる葛藤。
ワールドカップ光と影だね、自虐的な笑みを浮かべながらそう語るのは怪我で戦線離脱を余儀なくされた森岡。リラックス的な意味合いの強いPK練習、意地かプライドか、川口は鬼気迫るセービングを連発する。自分が出られない中で、服部や中山などのベテラン勢は、スタメンを励まし、なにより気さくにサブを盛り上げる。

それぞれの葛藤を乗り越え、快進撃を続ける日本代表。しかし、終わりは訪れる。クライマックスのトルコ戦終了後、全試合でベンチを暖め続けた川口は静かに眼に涙を溜める。戸田は悔し涙でやりきれない表情を見せる。
そしてトルシエに肩を抱かれながら号泣の市川。市川はこの試合、後半からの出場ながら40分で交代を告げられていた。それに関わらず、トルシエは事あるごとに市川を怒鳴っていた。まな弟子にかけた最後の言葉はなんだったのだろう。

もうここらへんで、すでに目頭は熱くなってくるのだが、最後のロッカールームでの山本コーチの涙を拭いながらの言葉と、どこからともなく聞こえた選手の返答に、もう落涙必至。
本当に素晴らしいものを見せてもらった。

マンガのようなわかりやすいドラマ性があるわけではない。だが、個々の人間たちが織り成す感情の起伏、ぶつかり合いが築く現実というドラマは、心にただただ深く染み入ってくる。




| 映画・DVD | 04:12 | comments(0) |
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