murasaki

記憶の記録。あるいは独白。
苦難の予感 <2010J1第一節VSヴィッセル神戸>

0−2


●お互いの狙い

立ち上がり、神戸はいかにも三浦らしい統率された2ラインでサンガに隙間を与えないようにしてきた。まあこれは予想通り。で、我らがサンガだが、蹴りあいのような展開は避け、丁寧にヴィルドアップしていこうとする姿勢は見て取れた。これは、開幕前に監督が言っていた「サイド攻撃」や「観ていておもしろいサッカー」を準備してきた結果なんだろう。
ただし不安なのは、「サイド攻撃」は昨年の開幕前にも言っていたフレーズでありながら、一年間まったく体現できていなかったということである。


●妙な配置

スタメンには攻撃的なポジションを主戦場としてきた中村太が左SBに入っており、ここらへんは「サイド攻撃」の意図にも合致しているように思われる。逆の増嶋に関しては、昨年見た限りではクロスの質やアジリティの面でSBの適正はないように思えたが、監督は諦めていなかったようで今年も使ってきた。実際、昨季よりはクロスの質やボールの扱いはさまになっていた。

ただ、攻撃的な姿勢を打ち出す割には、ダブルボランチがチエゴ・片岡というCBを主に担ってきた選手たち。観ている側としては、こんな戸田や鈴木啓太を二枚並べたようなダブル守備専ボランチでうまくいくのかと懸念してたのだが、一方でカトQらしい采配だなとも思った。良い意味でも悪い意味でも常識の通じない監督だから…。ただ今節は、懸念していた通りの厳しい展開となった。


●いつか見た悪循環

ガンバや広島ならともかく、パスサッカー構築段階の中途半端なポゼッションしかできないチームは、ブロックを築きカウンターを狙うチームにとっては格好の餌食となる。今節においてはまさに前者がサンガ、後者は神戸だった。サンガはサイドチェンジの量と質、意識が明らかに昨季より向上していたものの、いざサイドを変えてからのコンビネーションの構築は昨季同様ほとんどできておらず、時間がかかるうちに数的優位を作られ難なく守られていた。そしてその展開の中では、サンガのダブルボランチの縦パスの質の低さが際立つ。つまり、組織・個人共に相手のブロックを打開できるような力がないにも関わらず、意識だけは前掛かり。

そうなると神戸にとってサンガは、守備の狙いどころを絞りやすい且つ高い位置から速攻につなげられるという絶好の対戦相手となった。特にサンガの両ボランチが格好の獲物だったというわけだ。

こうして攻撃面に閉塞感が目立ってくると、前線からヤツが降りてくる。ディエゴである。DFラインまで落ちてきたりと、もはややりたい放題。しかし、そうなると当然前線には柳沢しかいなくなるわけで、状況はもっと悪化。それをさらにディエゴがなんとかしようと落ちてきて…という昨季を彷彿とさせる悪循環が起きてしまっていた。ただでさえ、ボランチがデフェンス面にかなり重きを置いた二人である中で、ディエゴが下がってきてしまうと、誰もディエゴのポジションを埋められないし、ディエゴとパス交換ができるわけでもない。神戸としては、柳沢さえ警戒しておけばいいという状況になり、願ったり叶ったりの展開となっていた(そんな中でも抜群の動き出しで何度かフリーとなっていた柳沢はさすがだが)。


●3つの方向性

結果としては、事故みたいなポポのシュートと致命的なミスで二失点。ここらへんカトQは「自滅」といったやや強がったコメントをだしていたように思う。ただ、確かに2失点とも偶発的な要素の強いものではあったものの、吉田のヘッドなど他にも決定的な場面を作られていた状況では完敗と言わざるをえない。サンガは何もできていなかった。見せられたのは「姿勢」のみ。


次節以降予想される戦い方は3つある。

1.08年度の放り込みスタイル
フィジカル系の選手が多い現状では最も機能しそう。片岡・チエゴという組み合わせもこの戦術ならあり。
しかし、まだ初戦であり監督自身そこまで現状が悪いと思っていないだろうし、なにより昨季一年を見た感じでは08年度のスタイルに頑なに戻りたくないように見えた。したがって実現性は薄い。

2.現行のポゼッション志向
たぶんしばらくは今の形を目指していくことになる。だが、今節でもチラホラ見えていたように、だんだんと戦術に疑心を抱き始める選手が出てくるのはほぼ間違いない。落とす可能性が高い次節の相手を考えれば尚更だ。そうなれば選手の方から未完の「サイド攻撃」を捨て、昨季のように開幕前の準備(すなわちサイド攻撃)はきっと笑い話となるだろう。ACLなんか嘲笑されるだろうよ。
それよりさらに怖いのは、それでも監督が、この特異なメンバー構成で引き続きポゼッションスタイルを志向していった場合だ。それは閉塞感に包まれた昨年のリピート映像を意味し、サポーターにとっては苦しい一年間となる。

3.カウンタースタイル
次節は相手が鹿島だけに必然的にリトリートすることになるだろうが、それは別にして、今後カトQがサクッと現状のスタイルを諦めた場合は、ラインを低くし前線の柳沢・ディエゴ・渡邉・鈴木に頼ったカウンターとなる可能性は高い。負けがかさんできた場合の最有力手段だとも言える。守備の連携さえ築ければ、降格しない程度のサッカーは実現できそうだ。これが最も現実的かもしれない。


まあなにはともあれ、今節を見る限り、今年一年も苦行のようなシーズンになりそうだ…。


●新加入

チームが悪すぎた中で、彼らを判断するのはまだ早いように思われる。カクテヒとか連携全然だったし。
ただ、それぞれ特化したスキルの片鱗は見せていたので、使いようにはよっては強力な補強となるかもしれない。なんにせよもう少し見てみたい。






というわけで昨年はまったくだったけど、今年は気が向いたら更新していこうかなと思う。需要はないだろうが。笑
頑張ってみます。

| ヴィッセル神戸 | 01:20 | comments(2) |
2009J1第1節 VS ヴィッセル神戸
多忙のため遅ればせながら開幕戦。

まだまだ両チーム共に完成形にはほど遠い印象。
サンガは昨年のように、ゴール前ごちゃごちゃのアクシデント的な得点狙いではなく、後方からの追い越しやそれを引き出すための丁寧なヴィルドアップの「姿勢」(質はまだまだ)など、攻撃の形を作っていこうと意志は見てとれた。

しかしながら、それは依然として昨年のフェルナンジーニョ然りのディエゴの機転の良さを頼ったものであり、チームとしてのパスの回し方を構築するまでにはまったく至っていなかった。

また、その肝心のディエゴも、ヴェルディ時代の如く横パスからのダイレクトでの縦パスのワンツーという得意の形を何度も試みるが、ワントップの豊田が感じていなかったり、タッチが拙かったり、体でDFを抑え込めていなかったりでほとんど成功できなかった。(相手の北本が優秀だったということはある)
このワンツーが決まらない以上、ディエゴという選手は活きないわけで、柳沢あるいは田原の不在を強く感じさせる原因にもなった。

相手の神戸は金やバイーアあたりからの縦パスから一気にテンポアップし、マルセウの落としに自由な動きを見せる馬場が絡むというパターンがある程度成功しており、サンガよりは完成度の高さを感じた。
しかし、やはり大久保やレアンドロといった抜群のフィニッシャーの移籍は大きく、フィニッシュのアイディアと精度にあまり驚異を感じなかった。
したがって、J屈指の2トップという最大の武器を最大限に生かしていたカウンター戦術を採用していた昨季にはまだまだ及ばない。
ただ、時を重ねることで魅力的なサッカーに変貌する可能性はあると思った。

そんなわけで、互いに低調なこの一戦は引き分けが妥当なのだけれども、サンガの側に1点が転がり込み勝利。
本当にどちらが転がってもおかしくない試合だったが、渡邉の得点を見ればわかる通り、個の技量でサンガがやや上回ったか。

まあ実際、実感も湧かないほどに淡々とした手応えのない勝利だったのだが、引き分けに終わらなかったことは言うまでもなく本当に大きい。安堵。

さて、新加入選手についてだが、ディエゴは連携面を除けば期待通り。キープ力や突破力など、早くも欠かせない選手になっている。

豊田は高さとスピードという身体能力の高さを単発で見せることはあったが、ポストの軸としてはまだまだ時間がかかりそう。というか、そもそもが田原タイプの選手ではない可能性もあり、実際にこの次の大分戦では左で使われていた。今後適性を確かめたい。

李は評判通り良さそう。安定したDFの技術だけでなく、丁寧なヴィルドアップに好印象を持った。
ただ、この試合は相方の水本のプレーが非常に素晴らしく、助けられる場面も多かった。さらにコンディションが整ったときにどんなプレーを見せてくれるか非常に楽しみだ。

わかりやすい課題は右サイドの二人のキックの精度。連携や意図はまずまずなだけに最後を集中してほしいところ。

まあとりあえずこの時期はどこも未完成。その中で勝ち点3を奪えたことこそが重要な成果。これからに期待。
| ヴィッセル神戸 | 16:51 | comments(0) |
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